【消費税】東京高裁令和3年4月21日判決

判決イメージ 判決書(消費税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

(1)第1事件
原告が、本件各課税期間の消費税等について、販売目的で行った課税仕入れである建物の購入のうち、購入時にその全部又は一部が住宅用として賃貸されている建物に係るものにつき、消費税法30条2項1号イ所定の「課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ」に区分されることを前提として、同条1項の課税標準額に対する消費税額か
ら控除する課税仕入れに係る消費税額(控除対象仕入税額)を計算し、算出した納付すべき税額に基づき確定申告をしたところ、税務署長から、本件各課税仕入れは、同条2項1号ロ所定の「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ」(共通課税仕入れ)に区分されるとして、本件各更正処分及びこれらに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたことから、これらの取消しを求めた事案。
(2)第2事件
原告が、仮に、本件課税仕入れが共通課税仕入れに区分される場合、控除対象仕入税額の計算に当たり、本件課税仕入れに係る消費税額に乗ずべき消費税法30条3項の課税売上割合に準ずる割合として、本件割合は合理的に算定されたものであると主張して、税務署長に対してその適用承認申請をしたところ、税務署長から、本件承認申請を却下する旨の処分を受けたことから、その取消しを求めるとともに、本件割合の適用承認の義務付けを求める事案である。

基本情報

・税目:消費税
・処分行政庁:日本橋税務署長
・課税年度:平成25年1月1日~平成27年12月31日
・提訴裁判所:東京高等裁判所
・提訴年月日:令和元年10月24日
・判決日:令和3年4月21日
・結果:一部認容

争点

・住宅用賃貸部分を含む建物の購入が控除対象仕入税額の計算において共通課税仕入れに区分されるとした本件各更正処分は適法であるか
・本件各更正処分が適法である場合、本件各確定申告における申告額が過少であったことにつき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるといえるか
・本件割合は、原告が営む事業の種類又は当該事業に係る販売費、一般管理費その他の費用の種類に応じ合理的に算定されるものであるか

判決書データ

東京高裁令和3年4月21日判決

原審はこちら⇩

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2019/pdf/13325.pdf