【法人税】東京高裁令和4年3月10日判決

判決イメージ 判決書(法人税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

セラミックス製品の製造を主たる事業とする内国法人である原告は、ディーゼル車用の微粒子除去フィルター(炭化ケイ素を原料とするセラミックス製ディーゼル・パティキュレート・フィルター〔Diesel Particulate Filter〕。以下、同フィルターを「DPF」といい、セラミックス製DPFのうち炭化ケイ素を原料とするものを「SiC-DPF」といい、原告及びその関係会社が製造販売するSiC-DPFを「本件製品」という。)の製造に関する特許権やノウハウ等の無形資産を有していたところ、SiC-DPFは、ヨーロッパ連合(EU)において設けられた自動車の排ガス規制の基準を満たすために有用なものであった。

原告は、ポーランド共和国に、間接子会社であるB(以下「本件国外関連者」という。また、同社の通称である「C」〔Cの略〕と表記することがある。)を設立し、本件国外関連者との間で上記無形資産の使用に関するライセンス契約を締結した(以下、同契約を「本件ライセンス契約」といい、同契約に係る取引を「本件国外関連取引」という。)。本件国外関連者は、上記無形資産を使用して本件製品を製造し、これを原告の間接子会社を通じて、ヨーロッパの自動車メーカーに販売した。

原告は、平成19年3月期から平成22年3月期までの各事業年度に係る法人税の確定申告に際し、本件国外関連取引(本件ライセンス契約)の対価であるロイヤルティの額(以下「本件対価額」という。)を収益の額に算入
した。これに対し、税務署長は、本件対価額が、租税特別措置法66条の4第2項2号ロ、租税特別措置法施行令(平成19年3月期については平成19年政令第92号による改正前のもの、その余の事業年度については平成22年政令第58号による改正前のもの。以下、これらを包括して「措置法施行令」という。)39条の12第8項1号に定める方法により算定した独立企業間価格に満たないことを理由に、措置法66条の4第1項に定める国外関連者との取引に係る課税の特例の規定により、本件国外関連取引が独立企業間価格で行われたものとみなされるとし、原告の本件各事業年度の所得金額に独立企業間価格と本件対価額との差額を加算すべきであるとして、法人税の各更正処分及びこれらに伴う過少申告加算税の各賦課決定処分をした。本件は、原告が、被告を相手に、これらの処分の全部又は一部の取消しを求めた事案である。

基本情報

・税目:法人税
・処分行政庁:昭和税務署長
・課税年度:平成18年4月1日~平成22年3月31日
・提訴裁判所:東京高等裁判所
・提訴年月日:令和2年12月9日
・判決日:令和4年3月10日
・結果:棄却

争点

本件国外関連取引に係る独立企業間価格の算定(残余利益分割法の適用)に関する
・基本的利益の算定方法(比較対象法人の選定等)の適否
・残余利益の分割方法の適否

判決書データ

東京高裁令和4年3月10日判決

原審はこちら⇩

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2020/pdf/13486.pdf