【法人税】東京高裁令和3年4月14日判決

判決イメージ 判決書(法人税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

原告は、本件各事業年度の法人税及び平成25年12月期の復興特別法人税につき、租税特別措置法67条の3第1項2号に定める農業協同組合等に委託して行う肉用牛の売却に係る所得の課税の特例(本件特例)が適用されるとして、かつ、平成25年12月期の法人税及び復興特別法人税については更に原告を退職した元代表取締役への退職給与の支給額が損金の額に算入されるとして、それぞれ申告をしたところ、税務署長から、原告が本件各事業年度において行った肉用牛の売却取引の中には、本件特例の適用が認められないにもかかわらず、原告補助参加人らに委託して行う売却であるように装われたものがあり、当該取引は、法人税法127条1項3号及び国税通則法68条1項の「仮装」に該当し、かつ、国税通則法70条5項(現4項)の「偽りその他不正の行為」に該当するなどとして、法人税の青色申告の承認取消処分、本件各事業年度の法人税及び平成25年12月期の復興特別法人税の各更正処分並びに重加算税の各賦課決定処分を受け、また、本件役員退職給与の額には法人税法34条2項の「不相当に
高額な部分の金額」があるとして、平成25年12月期の法人税及び復興特別法人税の各再更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分を受けた。
本件は、原告が、税務署長指摘の各取引に本件特例の適用がないことは争わないが、「仮装」の事実はなく、「偽りその他不正の行為」にも該当しないと主張して、①本件青色承認取消処分、②本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び③本件各賦課決定処分の各取消しを求め、また、本件役員退職給与の額には「不相当に高額な部分の金額」はないと主張して、④本件各再更正処分等の各取消しを求めた事案である。

基本情報

・税目:法人税
・処分行政庁:真岡税務署長
・課税年度:平成19年1月1日~平成25年12月31日
・提訴裁判所:東京高等裁判所
・提訴年月日:令和2年3月4日
・判決日:令和3年4月14日
・結果:棄却

争点

・本件各取引について法人税法127条1項3号及び国税通則法68条1項の「仮装」があったか否か
・原告について国税通則法70条5項の「偽りその他不正の行為」があったか否か
・本件役員退職給与の額のうちに法人税法34条2項の「不相当に高額な部分の金額」があるか否か

判決書データ

東京高裁令和3年4月14日判決

原審はこちら⇩

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2020/pdf/13382.pdf