【令和6年10月1日現在】訴訟になっている課税事件

裁判所 課税関係訴訟事件一覧表

令和6年10月1日現在、どのような課税事件が訴訟になっているのか確認すべく、国税庁に行政文書の開示請求をして資料を取り寄せてみました。

新規発生事件

熊本地裁(民事第3部)

【税目】所得税
【被告】国(菊池税務署長)
【概要】
更正の請求について、更正すべき理由が認められるか否か(本人訴訟)
【年分】28
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月12日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第2部)

【税目】法人税
【被告】国(芝税務署長)
【概要】
(1) 原告が業者に報酬として支払ったとする金員は、支払手数料として損金の額に算入されるか否か。
(2) 各物件の建物本体及び建物附属設備の取得価額は、それぞれいくらか。
(3) 賃貸用不動産に係る譲渡収入及び譲渡原価は、益金の額及び損金の額に算入すべきか否か。
(4) 原告に通則法68条1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったか否か。
(5) 平成21年12月期から平成23年12月期までの法人税に係る各更正処分は、通則法70条に規定する除斥期間を徒過して行われたものか否か。
【年分】21/12~26/12
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月12日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第2部)

【税目】所得税
【被告】国(芝税務署長)
【概要】
(1) 各物件の建物本体及び建物附属設備の取得価額は、それぞれいくらか。
(2) 原告が業者に対して支払ったとする金員は、雑費として必要経費に算入されるか否か。
(3) 原告に通則法68条1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったか否か。
(4) 平成21年分から平成23年分までの所得税に係る各更正処分は、通則法70条に規定する除斥期間を徒過して行われたものか否か。
【年分】21~26
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月12日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

熊本地裁(民事第2部)

【税目】法人税
【被告】国(熊本西税務署長)
【概要】
被告が、土地及び建物の各固定資産税評価額の比率を用いる方法を用いて、本件建物の購入の代価及び課税仕入れに係る支払対価の額を算定し原処分を行ったことは適法か否か。
【年分】2/12、3/12
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月29日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

札幌地裁(民事第3部)

【税目】消費税
【被告】国(札幌南税務署長)
【概要】
1 消費税更正等各処分に係る理由附記に違法があるか否か。
2 消費税更正等各処分に係る調査に調査手続上の違法があるか否か。
【年分】29、1~3
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月29日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第51部)

【税目】所得税
【被告】国(真岡税務署長)
【概要】
基礎控除の適用に所得金額による差異があることは憲法違反であるか。
【年分】3
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月5日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第3部)

【税目】法人税
【被告】国(関税務署長)
【概要】
・本件各収入は、工業所有権等の使用料に該当するか否か。
・本件各機能の開発は、「自ら行った研究開発」に該当するか否か。
・本件各支出の全額が、「当該使用料を得るために直接要した費用の額」に該当するか否か。
【年分】2/3、3/3
【処分部署】調査部
【提訴日】令和6年8月8日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第3部)

【税目】法人税
【被告】国(岡山西税務署長)
【概要】
1 原告が仮受金として計上していた金額及び関係会社の収益として計上していた金額に係る収益は、本件事業年度の原告の法人税の所得金額の計算上、益金の額に算入されるか否か。
2 原告に国税通則法68条1項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があるか否か。
(消費税)
【年分】30/8
【処分部署】資料調査課等
【提訴日】令和6年8月8日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

松山地裁(民事第1部)

【税目】相続税
【被告】国(今治税務署長)
【概要】
・原告が相続財産である生命保険契約が存在することを知らなかったことは正当な事由に該当するか。
・審査請求中に原処分を取り消し、再更正したのは違法であるか。
【年分】30
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月13日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

京都地裁(第3民事部)

【税目】相続税
【被告】国(上京税務署長)
【概要】
被相続人の死亡により配偶者が取得したスイス遺族年金を受給する権利(本件受給権)は、相続税法3条1項6号に規定するみなし相続財産に該当し、相続税が課税されるか否か。
【年分】29
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月20日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

名古屋地裁(民事第9部)

【税目】贈与税
【被告】国(名古屋西税務署長)
【概要】
・本件各通達評価額に、相続税法7条に規定する時価を上回る違法があるか否か。
・本件各譲受けは、相続税法7条に規定する「著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合」に該当するか否か。
【年分】29
【処分部署】資料調査課等
【提訴日】令和6年8月26日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】特定できず

東京地裁(民事第3部)

【税目】所得税(譲渡)
【被告】国(北那覇税務署長、国税不服審判所長)
【概要】
1 本件家屋が租税特別措置法第35条第1項の「居住用財産」に該当し、特別控除の対象となるか否か。
2 審判所が行った証拠収集等は裁決手続きの瑕疵に該当するか否か。
【年分】2
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月29日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第38部)

【税目】所得税(源泉)
【被告】国(静岡税務署長)
【概要】
譲受人が、原告より譲り受けた土地の簿価と時価の差額(経済的利益)は、譲受人に対する所得税法28条1項に規定する給与等に該当するか否か。
(請求額:87,724,602円 仮執行宣言請求なし)
【年分】2/7~2/12
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月29日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】特定できず

名古屋地裁(民事第9部)

【税目】所得税(譲渡)
【被告】国(名古屋北税務署長)
【概要】
・本件家屋は措置法35条2項に規定する「居住の用に供している家屋」に該当するか否か。
・原告が受領した未経過固定資産税等相当額は、本件各土地に係る譲渡所得の金額の計算上総収入金額に算入すべきか否か。
【年分】2
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年9月5日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

 

判決のあった事件

東京高裁(第21民事部)

【税目】法人税
【被告】国(東山税務署長)
【概要】
特例民法法人から一般財団法人への移行時に有する資産等の帳簿価額は、原告会社が決算修正により計上した有価証券の評価替え及び減価償却資産の帳簿価額の減額をする前の金額か。評価替え及び減額した後の金額のいずれの金額か。
【年分】25/3~27/3、28/3
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月26日
【結果】一部認容

東京地裁(民事第3部)

【税目】法人税
【被告】国(東京上野税務署長)
【概要】
法人税法81条の9第2項に基づき、被合併法人の同法57条2項に規定する未処理欠損金を原告の連結欠損金額とみなし、同法81条の9第1項の規定を適用して当該連結欠損金額に相当する金額を損金の額に算入したことは、同法132条の2に規定する「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当するか。
【年分】29/3
【処分部署】調査部
【判決日】令和6年9月27日
【結果】認容

東京高裁(第15民事部)

【税目】法人税
【被告】国(横須賀税務署長)
【概要】
1 相手側の役員が負った第三者に対する損害賠償金等は、本件各事業年度の法人税の所得金額の計算上損金の額に算入されるか否か。
2 上記損害賠償金に係る訴訟費用(弁護士費用)は、本件各課税期間の消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されるか否か。
3 上記損害賠償金等について、相手側に源泉徴収義務があるか否か。
【年分】26/9、28/9
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月4日
【結果】棄却

京都地裁(第3民事部)

【税目】相続税
【被告】国(伏見税務署長)
【概要】
本件更正処分における理由の提示は、行政手続法14条1項本文が要求する理由の提示として不備があるか否か
【年分】28
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月26日
【結果】棄却

名古屋高裁(民事第2部)

【税目】所得税、所得税(源泉)、相続税
【被告】国(千種税務署長)
【概要】
・原告は、本件源泉所得税等を徴収し納付すべき職務があるか否か
・原告が本件源泉徴収税額等を法定納期限までに納付しなかったことについて、通則法67条1項ただし書きに規定する「正当な理由」」があると認められるか否か
・本件被相続人が本件合資会社を死亡退職したことにより、本件被相続人において、みなし配当が認められるか否か
・原告らが、本件みなし配当所得を申告しなかったことについて、通則法65条4項1号に規定する「正当な理由」があると認められるか否か
・本件相続税の課税価格に計上すべき本件払戻し請求権の価額は、本件各同意に基づき、零円とすべきか否か。【年分】28、29/10
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月12日
【結果】棄却

仙台地裁(第2民事部)

【税目】所得税(譲渡)
【被告】国(仙台中税務署長)
【概要】
①本件宅地の譲渡と同時に行った医療法人の出資持分の譲渡に係る本件手数料等は、本件宅地の譲渡に係る譲渡費用に該当するか。
②本件手数料等が本件宅地の譲渡費用に該当する場合の本件宅地の譲渡費用のあん分割合。
【年分】1
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月26日
【結果】却下棄却

静岡地裁(民事第1部)

【税目】贈与税
【被告】国(三島税務署長)
【概要】
・本件決定処分の理由の提示に不備があるか否か。
・本件各通達評価額に、本件各土地の時価を上回る違法があるか否か。
(本人訴訟)
【年分】1
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月13日
【結果】却下棄却

神戸地裁(第2民事部)

【税目】消費税
【被告】国(龍野税務署長)
【概要】
消費税確定申告が過少申告になったことについて、国税通則法第65条4項に規定する「正当な理由」があるか否か。
【年分】1
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月19日
【結果】棄却

神戸地裁(第2民事部)

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
本件において、国家賠償法1条1項の損害賠償が認められるか否か。
(本人訴訟)(請求金額:10,000,000円、仮執行宣言請求なし)
【年分】
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年9月19日
【結果】棄却

参考

一覧表の「原告等」及び「事件番号」は、個人の氏名については特定の個人を識別することができる情報に該当すること、法人の名称については法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるという理由で不開示となっています。
なお、下記の記事では「課税関係訴訟事件一覧表(令和4年4月1日現在)」から集計した第一審の提訴裁判所と各審級(第一審・控訴審・上告審)の終局までの日数を取り上げております。
課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいこと
審査請求をしたが棄却された場合などにおいて、課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいことをまとめてみました。 訴訟が提起できる期間 課税処分の取消しを求める訴訟はいつでも申立てができるわけではありません。裁決があった...
また、訴訟になっている事件の資料を裁判所で閲覧したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
訴訟になっている課税事件資料の閲覧方法について(東京地裁の場合)
現在訴訟になっている課税事件で当事者の主張内容を確認したいものがあったため、裁判所(東京地裁)で事件記録を閲覧してきました。今回は、東京地裁における記録の閲覧手順についてまとめてみました。 手順 裁判所のHPには、「民事事件記録の閲覧・謄写...