【令和6年9月2日現在】訴訟になっている課税事件

裁判所 開示請求

令和6年9月2日現在、どのような課税事件が訴訟になっているのか確認すべく、国税庁に行政文書の開示請求をして資料を取り寄せてみました。

新規発生事件

東京地裁(民事第3部)

【税目】消費税
【被告】国(麻布税務署長事務承継者京橋税務署長)
【概要】
(1) その一部が住宅用に賃貸されている販売用建物の購入及び当該建物に対する工事のうち、購入から販売までの期間を通じて空室であった部分に係る課税仕入れは、消費税法30条2項(仕入れに係る消費税額の控除)の適用に当たり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」と「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」のいずれに該当するか。
(2) 空室のある売却対象物件の買主に対する空室部分に係る家賃相当額の支払は、消費税法38条1項に規定する「売上げに係る対価の返還等」に該当するか否か。
【年分】28/9
【処分部署】調査部
【提訴日】令和6年7月16日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第51部)

【税目】消費税
【被告】国(朝霞税務署長)
【概要】
・課税仕入れに係る消費税額について、仕入税額控除が適用されるか否か。
・請求書及び帳簿に記載された仕入先の氏名等は真実の取引先か。
【年分】30/12~R3/11
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月6日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】特定できず

大阪地裁(民事第7部)

【税目】所得税
【被告】国(西宮税務署長)
【概要】
原告名義で行われた本件先物取引のうち、原告の父らから委任されたとする本件期間の各取引に係る雑所得は原告に帰属するか否か。
【年分】30~元
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年8月9日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

名古屋地裁(民事第51部)

【税目】法人税
【被告】国(名古屋西税務署長)
【概要】
・原告が調整のため計上した売上原価や仕入高等は、本件各事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできるか否か。
・原告に「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったか否か。(消費税)
【年分】27/5~3/5
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月19日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第51部)

【税目】相続税
【被告】国(練馬東税務署長)
【概要】
(1) 相続開始日において賃貸されていなかった空室は、貸家建付地及び貸家の賃貸割合の計算上、一時的に賃貸されていなかったと認められるものといえるか否か。
(2) 被相続人が、業務委託契約を締結していた不動産管理会社に対して有していた預け金(相続開始日において支払期日が到来していた相続開始月の賃料に係るもの)は、相続税の課税価格に算入すべきか否か。
【年分】29
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年7月30日
【裁決事例集搭載】なし
【裁決要旨】特定できず

判決のあった事件

東京高裁(第12民事部)

【税目】相続
【被告】国(仙台北税務署長)
【概要】
評価通達6項により同族会社の株式を評価したことが適法か否か。
【年分】26
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年8月28日
【結果】棄却

東京高裁(第10民事部)

【税目】所得税
【被告】国(芦屋税務署長)
【概要】
・理由附記の不備の有無
・本件分配金に預金に係る利子等が含まれるか否か
・刑事裁判及び民事裁判に係る弁護士費用の必要経費該当性
【年分】26
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年8月8日
【結果】棄却

東京高裁(第15民事部)

【税目】所得税
【被告】国(川崎北税務署長事務承継者大宮税務署長)
【概要】
1 更正処分に係る理由の提示に不備があるか否か。
2 原告が区分所有するマンションの共有部分である地下1階の電気設備等が令和元年台風19号の影響により浸水の被害を受けたことについて、所得税法72条(雑損控除)1項に規定する損失の金額があるか否か。
【年分】1
【処分部署】税務署
【判決日】令和6年8月28日
【結果】棄却

参考

一覧表の「原告等」及び「事件番号」は、個人の氏名については特定の個人を識別することができる情報に該当すること、法人の名称については法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるという理由で不開示となっています。
なお、下記の記事では「課税関係訴訟事件一覧表(令和4年4月1日現在)」から集計した第一審の提訴裁判所と各審級(第一審・控訴審・上告審)の終局までの日数を取り上げております。
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また、訴訟になっている事件の資料を裁判所で閲覧したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
訴訟になっている課税事件資料の閲覧方法について(東京地裁の場合)
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