【所得税】大阪高裁令和3年3月2日判決

判決イメージ 判決書(所得税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

原告は、税理士であった者であるが、平成21年分、平成22年分及び平成23年分の所得税、並びに平成21年課税期間、平成22年課税期間及び平成23年課税期間の消費税等の各確定申告における納付すべき税額が過大であったとして、前記所得税及び消費税等について本件各更正の請求をしたが、税務署長から、本件各更正の請求について、いずれも更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けた。

本件は、原告が、①本件各通知処分は違法であるなどと主張して、主位的に過誤納金及び還付加算金の支払を、予備的に本件各通知処分の取消し並びに過誤納金及び還付加算金の支払を求めるとともに、②税務署長は、本件各更正の請求に係る請求書の内容及び本件各通知処分をした旨を西宮市及び大阪府に通知すべき義務並びに個人住民税及び個人事業税が原告に還付されるよう西宮市及び大阪府に請願をすべき義務があったのにこれを怠ったとして、行政事件訴訟法3条6項1号所定の処分の義務付けの訴えとして、当該通知及び当該請願の義務付けを、予備的に、国家賠償法1条1項に基づき、事業税について大阪府から還付を受けるべき額相当額及びこれに対する還付加算金相当額の支払を求めた事案である。

基本情報

・税目:所得税
・処分行政庁:西宮税務署長
・課税年度:平成21~平成23年
・提訴裁判所:大阪高等裁判所
・提訴年月日:令和2年3月27日
・判決日:令和3年3月2日
・結果:棄却

争点

・原告の過誤納金返還請求権の存否
・本件各通知処分のうち、平成23年通知処分を除くものについて税務署長が平成21・22年通知処分をしたことが信義則に反するか
・平成23年通知処分について、原告がEから源泉徴収税額相当額の未払金債務の免除を受けたか
・平成23年通知処分について原告がE及びAから申告外の役員報酬を受領したか
・平成23年通知処分について必要経費の額
・平成23年通知処分について本件業務委託分報酬が原告に帰属するか
・平成23年通知処分について本件業務委託外分報酬が原告に帰属するか
・平成23年通知処分について本件業務委託分報酬及び本件業務委託外分報酬は事業所得であるか雑所得であるか
・本件各義務付け請求に係る訴えの適法性
・税務署長が大阪府に対して通知及び請願をしなかったことについての違法性

判決書データ

大阪高裁令和3年3月2日判決

原審はこちら⇩

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2020/pdf/13397.pdf