令和4年6月1日裁決・大裁(所)令3-45

裁決書

国税不服審判所に情報公開請求をし、表題の裁決書を入手してみました。

裁決要旨

請求人は、キャッシュレス決済サービス(本件決済サービス)に係る端末オーナーとなり、本件決済サービスを企画運営する法人から購入したキャッシュレス決済用端末(本件端末)を同法人にレンタルすること(本件レンタル)から生じる所得は、事業所得に該当する旨主張する。しかしながら、本件レンタルに係る収入は当該法人が属するグループ(本件グループ)が獲得する本件決済サービスに係る収益(本件収益)を基礎として算定されているところ、本件レンタルから生じる所得が事業所得というためには、本件レンタルが請求人の計算と危険において独立して営まれていることが必要であり、それは、本件レンタルの遂行上の重要な事項である本件収益をいかに獲得するかについて、請求人が最終的な判断権限を有するか否かに関わるが、当該権限は、本件グループのみが有し、請求人はかかる権限を有していなかったと認められる。したがって、本件レンタルは、請求人の計算と危険において独立して営まれているものであるとはいえない。よって、本件レンタルは、所得税法施行令第63条《事業の範囲》第12号にいう「対価を得て行なう事業」とはいえず、このような業務から生じる所得は、事業所得には該当しない。

基本情報

・裁決番号:大裁(所)令3第45号
・税目:所得税
・管轄:大阪国税不服審判所
・裁決日:平成4年6月1日
・結果:棄却

争点

・本件端末の取得費は、本件レンタルが事業所得を生じる事業に該当せず、事業所得の金額の計算において必要経費として控除できないか否か

裁決書データ

令和4年6月1日裁決