【令和7年4月1日現在】訴訟になっている課税事件

裁判所 課税関係訴訟事件一覧表

令和7年4月1日現在、どのような課税事件が訴訟になっているのか確認すべく、国税庁に行政文書の開示請求をして資料を取り寄せてみました。

新規発生事件

熊本地裁(民事第3部)

【税目】所得税
【被告】国(熊本西税務署長)
【概要】
推計課税の合理性
【年分】30~2
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年5月30日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第51部)

【税目】所得税
【被告】国(桐生税務署長)
【概要】
(1) 相続財産として申告した不動産は、原告固有の財産か。
(2) 相続財産として申告した美術品の価額は過大か。
(本人訴訟)
【年分】28
【処分部署】資料調査課等
【提訴日】令和6年12月12日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第3部)

【税目】所得税
【被告】国(板橋税務署長、渋谷税務署長)
【概要】
(1) 本件各無利息貸付けは、所得税法157条1項に規定する「所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当するか否か。
(2) 相手側には、本件各無利息借入れにより所得税法36条1項括弧書に規定する「金銭以外の物又は権利その他経済的利益」が生じているか否か。
(3) 本件各更正処分の理由附記に不備があるか否か。
(4) 相手側は、本件役員に対して本件無利息貸付けにより所得税法36条1項括弧書に規定する「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益」を供与したか否か。
(5) 本件各納税告知処分の理由の提示に不備があるか否か。
(所得税(源泉))
【年分】29~1、29/7~1/12
【処分部署】資料調査課等
【提訴日】令和6年12月13日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

横浜地裁(小田原支部)

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
国は、原告に対し、相続税について、①土地の評価の誤りがあった及び②税務署職員による長年にわたる相続税の物納手続における非合理な補完があったとして、国家賠償法1条1項に基づく賠償責任を負うか否か。
(本人訴訟)(請求額:63,996,569円、仮執行宣言請求あり)
【年分】-
【処分部署】税務署
【提訴日】令和6年12月16日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】なし

東京地裁(民事第38部)

【税目】消費税
【被告】国(東京上野税務署長事務承継者本所税務署長)
【概要】
(1) 相手側が行った本件における金製品等の譲渡は、消費税法8条1項に規定する「譲渡」に該当するか否か。
(2) 相手側に国税通則法68条1項又は2項に規定する事実の「隠蔽」又は「仮装」はあるか否か。
【年分】30/5~30/9、1/8~2/4、2/6、2/7、2/9~2/11
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年1月9日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第3部)

【税目】消費税
【被告】国(豊島税務署長)
【概要】
(1) 相手側が行った本件における金製品等の譲渡は、消費税法8条1項に規定する非居住者に対する譲渡に該当するか否か。
(2) 相手側に国税通則法68条1項に規定する事実の「隠蔽」又は「仮装」はあるか否か。
(3) 本件の輸販場は消費税法8条7項に規定する「輸出物品販売場として施設その他の状況が特に不適当と認められる場合」に該当するか否か。
(4) 本件における充当処分は適法か否か。
(5) 本件における預金差押処分は適法か否か。
(6) 本件における配当処分は適法か否か。
【年分】1/10~2/9、3/1~3/5
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年1月24日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

京都地裁(第3民事部)

【税目】消費税
【被告】国(右京税務署長)
【概要】
1 消費税の基準期間における仮装隠蔽行為が平成30年以降各課税期間の消費税等の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実について、「隠蔽又は仮装」に該当する事実があったか否か。
2 審査請求後において、処分理由を差し替えて本件各再賦課決定処分をしたことに行政手続法14条1項違反があるか否か。
【年分】28~4
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年2月10日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

札幌地裁(民事第1部)

【税目】消費税
【被告】国(札幌東税務署長)
【概要】
本件工事請負契約は、令和2年3月31日までに締結した契約であるか否か。
【年分】3/3
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年2月17日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

東京地裁(民事第7部)

【税目】所得税
【被告】国(武蔵野税務署長)
【概要】
納税者の子が保育所に通わせるために支払った保育料を事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきか否か。
【年分】5
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年2月25日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】なし(審査請求後3か月経過により訴訟提起)

下記のサイトに訴状等が掲載されています。

保育料を経費に!訴訟|公共訴訟のCALL4(コールフォー)
働く親は、就労時間を確保するために子どもを保育園に預けます。仕事をするために支払ったのですから、その保育料は必要経費に該当するはずです。けれど、現在の課税実務では、育児は収入を得ることと切り離された「家庭内の消費」であるとして、保育料は必要...

東京地裁(民事第3部)

【税目】所得税
【被告】国(豊能税務署長)
【概要】
納税者の子が保育所に通わせるために支払った保育料を事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべきか否か。
【年分】5
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年2月25日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】なし(審査請求後3か月経過により訴訟提起)

下記のサイトに訴状等が掲載されています。

保育料を経費に!訴訟|公共訴訟のCALL4(コールフォー)
働く親は、就労時間を確保するために子どもを保育園に預けます。仕事をするために支払ったのですから、その保育料は必要経費に該当するはずです。けれど、現在の課税実務では、育児は収入を得ることと切り離された「家庭内の消費」であるとして、保育料は必要...

東京地裁(民事第38部)

【税目】所得税(譲渡)
【被告】国(品川税務署長事務承継者日本橋税務署長)
【概要】
(1) 平成30年分の株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、所得税法64条2項の保証債務の特例の適用があるか否か。
(2) 令和2年分の株式の譲渡に係る譲渡所得の金額の計算上、所得税法64条2項の保証債務の特例の適用があるか否か。
【年分】30、2
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年3月3日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】

水戸地裁(民事第1部)

【税目】消費税
【被告】国(潮来税務署長)
【概要】
処分行政庁の課税処分が無効であり、当該処分により納付した金員は過誤納金に該当するか。
【年分】30/9
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年3月13日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

判決のあった事件

大阪高裁令和7年3月18日判決

【税目】消費税
【被告】国(龍野税務署長)
【概要】
消費税確定申告が過少申告になったことについて、国税通則法第65条4項に規定する「正当な理由」があるか否か。
【年分】1
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年3月18日
【結果】棄却

金沢地裁令和7年2月21日判決

【税目】所得税
【被告】国(小松税務署長)
【概要】
通院に際して支払ったガソリン代等は、所得税法第73条第2項に規定する控除対象の医療費に該当するか否か。
【年分】30~2
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年2月21日
【結果】棄却

仙台地裁令和7年3月5日判決

【税目】所得税(源泉)
【被告】国(仙台中税務署長)
【概要】
消費税・法人税
原告のキャバクラ店に勤務するホステスに対して支払った金銭の給与所得該当性
【年分】22/3~26/2
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年3月5日
【結果】却下棄却

東京地裁令和7年3月13日判決

【税目】法人税
【被告】国(京橋税務署長)
【概要】
原告に国税通則法68条第1項及び第2項に規定する「隠蔽し、又は仮装し」に該当する事実があったか否か
(消費税)
【年分】28/12~30/12
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年3月13日
【結果】却下棄却

広島地裁令和7年3月17日判決

【税目】消費税
【被告】国(広島西税務署長)
【概要】
原告は、本件課税期間において、課税事業者に該当するか否か
【年分】30
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年3月17日
【結果】棄却

完結した事件

札幌局・所得税(源泉)

【税目】所得税(源泉)
【被告】国(旭川東税務署長)
【概要】
本件金員を原告から本件亡代表者への賞与として行った本件各納税告知処分は違法か否か
【年分】H27.1~R2.12
【処分部署】税務署
【判決日等】
・旭川地裁令和7年1月31日判決 ⇒ 棄却

広島局・所得税

【税目】所得税
【被告】国(岡山東税務署長)
【概要】
原告の更正の請求に基づき通知した更正通知書は無効となるか否か
(本人訴訟)
【年分】2
【処分部署】税務署
【判決日等】
・岡山地裁令和6年3月26日判決 ⇒ 却下
・広島高裁岡山支部令和6年10月31日判決 ⇒ 棄却
・最高一小令和7年3月13日決定 ⇒ 棄却

広島局・消費税

【税目】消費税
【被告】国(広島西税務署長)
【概要】
原告は、本件課税期間において、課税事業者に該当するか否か
【年分】30
【処分部署】税務署
【判決日等】
・広島地裁令和7年3月17日判決 ⇒ 棄却

福岡局・消費税

【税目】消費税
【被告】国(久留米税務署長)
【概要】
① 青色申告承認取消事由の有無(法法127①一、三)
② 消費税法30条7項の「保存」の有無
※ただし、訴状において原告は争点を明らかにしていない。
【年分】28/6~30/3
【処分部署】税務署
【判決日等】
・福岡地裁令和7年1月22日判決 ⇒ 棄却

参考

一覧表の「原告等」及び「事件番号」は、個人の氏名については特定の個人を識別することができる情報に該当すること、法人の名称については法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるという理由で不開示となっています。
なお、下記の記事では「課税関係訴訟事件一覧表(令和4年4月1日現在)」から集計した第一審の提訴裁判所と各審級(第一審・控訴審・上告審)の終局までの日数を取り上げております。
課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいこと
審査請求をしたが棄却された場合などにおいて、課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいことをまとめてみました。訴訟が提起できる期間課税処分の取消しを求める訴訟はいつでも申立てができるわけではありません。裁決があったこと...
また、訴訟になっている事件の資料を裁判所で閲覧したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
訴訟になっている課税事件資料の閲覧方法について(東京地裁の場合)
現在訴訟になっている課税事件で当事者の主張内容を確認したいものがあったため、裁判所(東京地裁)で事件記録を閲覧してきました。今回は、東京地裁における記録の閲覧手順についてまとめてみました。手順裁判所のHPには、「民事事件記録の閲覧・謄写の御...