はじめまして。税理士の柳谷憲司(やなぎやけんじ)です。
税務職員として国税の職場に約15年ほど勤務していましたが、「個人課税×国際課税×審理×デジタルのフィールドでより幅広く社会に貢献したい」、「税務に限らず有益な情報を発信していきたい」、「未経験の分野にも挑戦していきたい」と考えて、令和3年9月に税理士登録しました。
良くも悪くも国税の職場に染まることがなかったと思っていますし、税理士業界的にも新参者ですので、既存の枠組みにとらわれることなく、お客様の悩みを解決できるサービスを提供することを目指していきます。
略歴
昭和56年青森県生まれ。大学卒業後、国税専門官として採用され東京国税局に入局。同局管内の税務署において、個人事業主や海外取引を行っている個人への税務調査及び申告相談事務等、東京国税局課税第一部国税訟務官室及び国税庁課税部審理室において訟務(税務訴訟)事務、東京国税不服審判所において審査請求の調査事務に従事。令和3年9月に税理士登録後、勤務税理士を経て、現在開業税理士(関東信越税理士会東松山支部所属|登録番号:146890号)。
経験してきた仕事
学生時代(アルバイト)
- コンビニの店員(某駅の改札横にあったコンビニで商品の陳列・レジ打ち)
- JRの駅係員(新幹線が停車する某駅において朝ラッシュ時にホームの整理)
- 医療事務(医師会の夜間急病センターで受付・会計)
- その他、引っ越し、ゼミ教授のアシスタント(コピー取り)など
昼間大学に通いつつ、授業がない時間帯(朝・夜)にアルバイトをして生計を立てていました。アルバイトがなければ大学を卒業したりや就職することもできず、今の自分もなかったと思います。当時のバイト先の方にはよくしていただき、大変感謝しております。
税務職員時代
東京国税局管内の税務署
- 個人事業者に対する所得税及び消費税の税務調査
- ストックオプション等のインセンティブ報酬を得ている者や海外取引を行っている者への税務調査
- 納税者からの申告相談対応
- 所得税・消費税の確定申告書の審査事務
- 若手職員に対する税務調査事務の指導
- 確定申告期における非常勤職員への研修やマネジメント
- 申告書や各種申請書の受付
- 情報公開や個人情報の開示等の請求事務
- 厚生事務
- 服務、給与事務
- 会計事務
税務署では、個人課税事務に7年間、総務事務に3年間従事しました。個人の税務調査や申告審理を通じて、税務に関する知識や折衝能力が得られたとともに、この職業であればこのくらいの収入が得られるといった相場観も得ることができました。また、総務の仕事に従事していた際にExcelマクロに出会い、自分の仕事に試行錯誤を重ねながら活用していく中で、反復・継続する仕事を効率化する術を身に着けることができました。
東京国税局課税第一部国税訟務官室
下記の事件に対する訴訟対応(準備書面の作成、裁判所への出廷など)
- 東京高裁平成27年11月26日判決(税務訴訟資料第265号-177順号12760)
⇒ サプリメントの購入費用が、所得税法の医療費控除の対象となる医薬品に該当するか否かが争点となった事件。 - 東京地裁平成28年1月21日判決(税務訴訟資料第266号-6順号12784)
- 東京高裁平成28年3月16日判決(税務訴訟資料第266号-46順号12824)
⇒ 株式報酬制度に係る給与の収入すべき時期が争点となった事件。 - 東京高裁平成28年2月17日判決(税務訴訟資料第266号-22順号12800)
⇒ ノンリコースローン及び手数料の債務免除益の所得区分が争点となった事件。 - 東京地裁平成28年3月4日判決(税務訴訟資料第266号-39順号12817)
⇒ 競馬の馬券が的中することにより得た払戻金の所得区分が争点となった事件。 - 東京地裁平成28年5月27日判決(税務訴訟資料第266号-81順号12859)
⇒ 国立大学法人の教授が、大学法人化の前に 国に対して特許を受ける権利を譲渡し、その後法人化された大学法人がその権利について特許権化した上で同特許権を譲渡して収入を得、そのことを契機として、同大学法人から受領した金員の所得区分が争点となった事件。 - 東京高裁平成29年12月6日判決(税務訴訟資料第267号-145順号13094)
⇒ 納税者が勝訴した前訴に係る弁護士費用を還付加算金の必要経費として控除できるかが争点となった事件。 - 東京地裁令和元年6月27日判決(税務訴訟資料第269号-63順号13286)
⇒ 同族法人である外国法人からの借入れに係る支払利息を、同族会社の行為計算否認規定に基づき否認することができるかが争点となった事件。 - 東京地裁令和4年3月2日判決(税務訴訟資料第272号順号13680)
⇒ 外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の適用除外要件のうち、管理支配基準を充足しているかが争点となっている事件。
国税局において、訟務事務(国の利害に関係のある争訟について、国の立場から裁判所に対して申立てや主張・立証などの活動を行うこと)に2年間従事しました。審理はおろか、文章を書く仕事すらしたことがない状態で転任し、最初は起案や法廷対応時のお作法も分からず大変ではありましたが、訟務事務を一通り経験することができました。自分の審理能力は、この時に先輩職員からOJTで受けた指導が基礎となっています。
国税庁課税部審理室
- 国税局訟務官室からの照会事項に対する検討
- 敗訴事件の上訴の要否の検討
- 国税庁内各課室との情報共有
- 課税訴訟に関連する統計、記者発表資料の作成
国税庁において、全国の税務訴訟を間接的に支援する仕事に2年間従事しました。全国でどのような税務訴訟が行われているのかはもちろんのこと、ここに来て初めて、仕事の進め方や国税組織の意思決定プロセスを理解することができました。また、上司や先輩の資料作成過程やレクチャーの仕方などを間近で見て学ぶことができ勉強になりました。
東京国税不服審判所
下記の事件に係る審査請求の調査
- 競馬の馬券が的中することにより得た払戻金の所得区分が争点となった事件
- 区分所有登記がされている二世帯住宅に居住していた相続人に対して小規模宅地等の特例が適用できるかが争点となった事件
- 更正の請求によりエンジェル税制の適用を受けることができるかが争点となった事件
- 海外に所在する土地・建物を一括購入した際の取得価額の按分が争点となった事件
審判所において、1年間審査請求の調査事務に従事しました。裁決書は訟務事務に携わっていた際に読むことはありましたが、実際に審判所の事務に従事することにより、審査請求中に行われる各手続の実務のほか、結論が簡単にでそうな事案であっても、相当な時間をかけて様々な観点から検討・議論し、何段階にもわたるチェックを経るという裁決に至るまでのプロセスを理解することができました。
税務大学校における研修の受講
- 専門官基礎研修 4か月間
(新規採用者を対象とした簿記や税法等の基本的な知識・技能の習得を目的とする研修) - 専科研修 7か月間
(2年間の実務経験を経た後に専攻税法の専門的知識・技能の習得を目的とする研修) - 国際科研修 5か月間
(国際課税の専門的知識・技能の習得を目的とする研修)
所属税理士時代
千葉かつ子税理士事務所
・所得税、消費税、法人税、相続税の確定申告書の作成や税理士法33条の2書面の起案
・Excelファイルから会計システム(FX2クラウド)に仕訳を読み込ませるためのマクロの開発
・ダイレクトメール、パンフレット、ステップメール、お客様の声動画の作成
・税務関連記事の執筆
執筆・講師
・2022年3月 「デジタル財産の取得・譲渡等をめぐる課税関係」月刊税理2022年4月号
・2022年8月 関東信越税理士会東松山支部研修「暗号資産・NFT取引に関する税務」
・2022年11月 「確定申告に向けたデジタル財産の把握と所得区分ーメタバースー」月刊税理2022年12月号
・2022年11月 「国税当局公表の情報に掲載されていないデジタル財産税務の論点」月刊税理2022年12月号Webセミナー
・2022年12月 東松山税務署白色申告決算説明会講師
・2022年12月 東松山税務署青色申告決算説明会講師
・2022年12月 河合厚=柳谷憲司=小林寛朋「関与先から相談を受けても困らない!デジタル財産の税務 Q&A」ぎょうせい
・2023年3月~ 連載「デジタル財産の税務最前線」月刊税理
・2023年4月 関東信越税理士界論陣「課税処分を最高裁まで争うことに関する一考察~争訟に係る期間の視覚化~」
・2023年10月 関東信越税理士会東松山支部青年部主催研修「試験に出ないが知っておきたい開示請求制度」
・2023年12月 埼玉りそな銀行東松山支店研修「インボイス制度と税務調査の現状」
・2023年12月 東松山税務署消費税等説明会講師
・2023年12月 東松山税務署青色申告決算説明会講師
・2024年1月 関東信越税理士会東松山支部研修「国税当局から欲しい情報を入手するには(実践的開示請求手法)」
・2024年1月 森高厚胤=清水一郎=柳谷憲司「法人税・法人事業税ガイドブック」大蔵財務協会
・2024年2月 十日会研修「税理士業務に活用する開示請求制度」
・2024年5月 清水一郎=柳谷憲司「定額減税の実務チェックポイント」大蔵財務協会
・2024年7月 「早わかり税額シミュレーション2024」月刊税理2024年7月臨時増刊号
・2024年7月 「所得税におけるポイントの取扱い」月刊税理2024年8月号
・2024年8月 経営税務研究会=田中敏行編「税理士が知っておきたい 精選 税務事例50」中央経済社
・2024年9月 関東信越税理士会川越支部研修部主催特別研修「行政文書開示請求と税務調査について」
・2024年10月 埼玉りそな銀行東松山支店研修「定額減税について」
・2024年11月 関東信越税理士会東松山支部研修「国税に係る不服申立手続の実際」
・2024年11月 石野裕之=柳谷憲司=平岡良太「税務調査における『質問応答記録書』の実際」税務QA2024年11月号
得意なこと
- Excelによる事務の効率化
(税理士ですが、税法よりもこちらのほうが得意です。税務職員時代に事務の改善提案で3回有効提案として表彰を受けました。) - 税に関する情報収集
(日々新聞記事のスクラップをしたり、専門誌から情報を取って、知識のアップデートに努めています。)
趣味や好きなこと
- 山登り(最近は全く行けてませんが…)
- 散歩(雨が降らなければ毎朝しています)
- ドライブ(海沿いを走るのが好きです)
住んだことのある町
- 青森県青森市(私の出身地です。高校卒業まで住んでました)
- 横浜市港南区(学生時代に住んでました)
- 横浜市戸塚区(社会人1年目から結婚するまで住んでました)
- 埼玉県志木市(子供が2歳になるまで住んでました)
- 埼玉県滑川町(現在の居住地です)