【所得税】大阪地裁令和6年3月13日判決

判決イメージ 判決書(所得税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

不動産賃貸業等を営む原告は、税務署長から、本件各年分の所得税等に関し、事業所得について原告が納税申告において必要経費に算入した接待交際費の全部及び減価償却費の一部を必要経費に算入することができないとし、不動産所得について所得税法157条1項を適用して原告が同族会社に賃貸した不動産に係る約定賃貸料を適正賃貸料に引き直して算定するなどとして、令和2年11月5日付けで、本所得税等各更正処分及び本件所得税等各賦課決定処分を受けた。

原告は、税務署長から、本件各課税期間の消費税等に関し、納税申告において課税仕入れに係る支払対価の額に算入された交際費が課税仕入れに当たらずこれに係る消費税額を控除することができないなどとして、本件消費税等各更正処分を受けた。

本件は、原告が、被告を相手に、本件各更正処分のうち申告額を超える部分及び本件各賦課決定処分の取消しを求める事案。

基本情報

・税目:所得税、消費税
・処分行政庁:東住吉税務署長
・課税年度:平成27~29年分
・提訴裁判所:大阪地方裁判所
・提訴年月日:令和4年5月2日
・判決日:令和6年3月13日
・結果:一部認容

争点

・ 本件接待交際費の必要経費該当性の有無(所得税等に係る争点)及び本件交際費の課税仕入れ該当性の有無(消費税等に係る争点)
・ 本件減価償却費の必要経費該当性の有無(所得税等に係る争点)
・ 本件賃貸借契約に係る所得税法157条1項適用の可否及び効果(所得税等に係る争点)
ア 「これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者の所得
税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」という要件の充足性の有無
イ 本件賃貸借契約の適正賃貸料の金額
・ 本件各処分の信義則違反の違法性の有無(前回調査結果通知と本件各処分との関係)(所得税等及び消費税等
に係る争点)

判決書データ

大阪地裁令和6年3月13日判決