国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。
事案の概要
原告は、ICカード「F」を発行し、その利用契約を締結した会員に対し、(a)鉄道等の旅客運賃等及び商品購入代金等を決済するサービスや、商品購入代金等の決済手段としてFを利用した場合に利用金額に応じて企業ポイントである「G」(以下「本件ポイント」という。)を付与するサービスを提供するほか、(b)F会員が原告と提携する法人の企業ポイントプログラム会員でもある場合には、本件ポイントと提携法人が付与する企業ポイントとを交換するなどのサービスを提供していた。そして、原告は、平成24年3月課税期間、平成25年3月課税期間、平成26年3月課税期間、平成27年3月課税期間及び平成28年3月課税期間の消費税及び地方消費税について、提携ポイントを本件ポイントに交換した後に当該提携ポイントを付与した提携法人が原告に対して支払った金員を消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入した上で、確定申告をした。
その後、原告は、本件金員が消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないなどとして、本件各課税期間の消費税等について、国税通則法23条1項1号(本件各課税期間のうち平成26年3月課税期間を除く課税期間について)又は3号(平成26年3月課税期間について)に基づき、更正の請求をしたところ、更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けた。
本件は、原告が、本件金員が消費税の課税標準である課税資産の譲渡等の対価の額に算入されないと主張して、前記各通知処分(ただし、それぞれ平成29年5月30日付け更正処分により減額された後のもの。)のうち、その
各一部の取消しを求めた事案である 。
基本情報
・税目:消費税
・処分行政庁:浪速税務署長
・課税年度:平成23年4月1日~平成28年3月31日
・提訴裁判所:大阪高等裁判所
・提訴年月日:令和元年12月26日
・判決日:令和3年9月29日
・結果:認容(納税者勝訴)
争点
本件金員が消費税法2条1項8号に規定する「対価」に該当するか否か
判決書データ
原審はこちら⇩
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2019/pdf/13358.pdf