国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。
事案の概要
本件は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律等に関する法律42条2項に定める特例民法法人から、同法45条に基づく内閣府の認可及び移行の登記を経て一般財団法人へと移行した原告が、税務署長に対し、本件各事業年度の法人税等の確定申告をしたところ、①税務署長から、平成25年3月期、平成26年3月期、平成27年3月期及び平成29年3月期の法人税等について、有価証券譲渡益の計上漏れを理由とする更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、同各更正処分のうち同理由による増額更正部分及び同各賦課決定処分の取消しを求め、②税務署長に対し、本件各事業年度の法人税等について、減価償却額の計上誤りを理由とする更正の請求をしたが、いずれについても更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたことから、同各通知処分の取消しを求めるとともに、③上記①の各更正処分のうち有価証券譲渡益の計上漏れを理由とする増額更正部分及び減価償却額の計上の誤りを理由とする減額更正処分がされるべき部分並びに上記①の各賦課決定処分の取消しを求め、④上記②の各通知処分のうち、上記①の各更正処分の対象とされていない平成24年3月期、平成28年3月期及び平成30年3月期の法人税等の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分の取消しを求めた事案。
基本情報
・税目:法人税
・処分行政庁:東山税務署長
・課税年度:平成23年4月1日~平成30年3月31日
・提訴裁判所:東京高等裁判所
・提訴年月日:令和5年3月3日
・判決日:令和6年9月26日
・結果:一部認容
争点
・本件各更正処分等の適法性(有価証券の譲渡原価の額は、移行時に評価替えした帳簿価額(本件各譲渡有価証券処理後価額)によるべきか、取得価額(移行前取得価額)によるべきか。)
・本件各更正処分の適法性(本件各事業年分における減価償却は、本件各減価償却資産処理後価額に基づいて行うべきか、本件各減価償却資産処理前価額に基づいて行うべきか。)
・実施事業に係る有価証券譲渡損の増加及び減価償却費の増加に伴い損金不算入額は増加するか。
・移行前において償却費を計上した減価償却資産の償却限度額の計算の基礎となる金額は、取得価額から移行前に償却限度内で損金経理をした金額を差し引いた金額であるか。
・平成24年3月期の更正の請求は国税通則法70条1項の期間制限により許されないか。
判決書データ
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