【法人税】東京高裁令和3年7月7日判決

判決イメージ 判決書(法人税)

国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。

事案の概要

内国法人である原告は、平成23年6月30日から同年7月4日までの間に、乙から年利14.5%で合計164億円を借り入れ、これに対する支払利子の額を所得の金額の計算上損金の額に算入して、平成23年11月期及び平成24年11月期に係る法人税の確定申告をし、さらに、その確定申告における翌期へ繰り越す欠損金額を前提として、平
成25年11月期に係る法人税等の確定申告をした。
これに対し、税務署長は、乙がシンガポールに住所地を移転し平成23年7月5日以降非居住者となったため、原告がその事業活動に必要とされる資金の相当部分を非居住者である乙からの借入れによって調達していることとなり、乙は原告の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係にあるものとして「国外支配株主等」に該当することから、過小資本税制に係る法令の規定が適用され、上記支払利子の一部(合計約14億6250万円)について損金の額に算入することができないとして、本件各事業年度に係る法人税の更正処分及び平成25年11月期の復興特別法人税の更正処分並びに平成25年11月期更正処分等に係る過少申告加算税の賦課決定処分をした。
本件は、原告が、乙は「国外支配株主等」に該当せず、本件各処分は違法であると主張して、被告を相手に、本件各処分の取消しを求めた事案である。

基本情報

・税目:法人税
・処分行政庁:渋谷税務署長
・課税年度:平成23年4月1日~平成25年11月30日
・提訴裁判所:東京高等裁判所
・提訴年月日:令和2年9月14日
・判決日:令和3年7月7日
・結果:棄却

争点

・乙が原告の「国外支配株主等」に該当するか
・原告が平成25年11月期更正処分等を受けたことについて、通則法65条4項にいう「正当な理由」があるか

判決書データ

東京高裁令和3年7月7日判決

原審はこちら⇩

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2020/pdf/13447.pdf