国税局に情報公開請求をし、表題の判決書を入手してみました。
事案の概要
第1事件は、原告が■■■■ギフトカードの購入費用につき外注費に当たるとして損金の額に算入して平成28年12月期に係る法人税及び地方法人税の確定申告をしたところ、税務署長から、当該■■■■ギフトカードの使途が明らかでなく損金の額に算入できないなどとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、上記各処分の取消しを求める事案である。
第2事件は、原告が、平成27年12月期~平成31年2月期までの各課税期間分の消費税及び地方消費税の確定申告を行ったところ、税務署長から、仕入先からの仕入額について消費税法30条7項所定の「帳簿」及び「請求書」が保存されていないことから同条1項所定の仕入税額控除ができないとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、上記各処分の取消しを求める事案である。
基本情報
・税目:法人税
・処分行政庁:京橋税務署長
・課税年度:平成27年12月期~平成31年2月期
・提訴裁判所:東京地方裁判所
・提訴年月日:令和5年2月1日
・判決日:令和8年6月25日
・結果:一部認容
争点
・本件外注費は、平成28年12月期の損金の額に算入されるか
・本件各仕入高に係る消費税額について、仕入税額控除が適用されるか
・本件調査が通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」に該当せず、本件法人税等更正処分等及び本件各消費税等更正処分等が違法か
判決書データ
判決書テキスト
※以下は生成AIでテキスト化したものです。
主 文
1 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成28年1月1日から同年12月31日までの事業年度の法人税の更正処分(ただし、令和4年8月4日付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち、所得金額5159万2611円を超える部分、納付すべき法人税額1161万8300円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、上記裁決により一部取り消された後のもの)のうち171万6500円を超える部分を取り消す。
(2) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成28年1月1日から同年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分(ただし、令和4年8月4日付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち、課税標準法人税額1161万8000円を超える部分、納付すべき地方法人税額51万1100円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、上記裁決により一部取り消された後のもの)のうち5万1500円を超える部分を取り消す。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを20分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 第1事件
(1) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成28年1月1日から同年12月31日までの事業年度の法人税の更正処分(ただし、令和4年8月4日付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち、所得金額0円を超える部分、還付すべき法人税額に相当する税額297円を超える部分及び翌期へ繰り越す欠損金143万1722円を下回る部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、上記裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。
(2) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成28年1月1日から同年12月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分(ただし、令和4年8月4日付け裁決により一部取り消された後のもの)のうち、課税標準法人税額0円を超える部分及び納付すべき地方法人税額0円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、上記裁決により一部取り消された後のもの)を取り消す。
2 第2事件
(1) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成27年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分のうち、還付すべき消費税の額に相当する税額22万0084円を超える部分及び還付すべき地方消費税の額に相当する税額5万9387円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
(2) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成28年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分のうち還付すべき消費税の額に相当する税額296万6015円を超える部分及び還付すべき地方消費税の額に相当する税額80万0353円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
(3) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成29年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分のうち、納付すべき消費税額210万8400円を超える部分及び納付すべき地方消費税額56万8900円を超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。
(4) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、原告の平成30年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分のうち、還付すべき消費税の額に相当する税額2047万2410円を超える部分及び還付すべき地方消費税の額に相当する税額552万4301円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。
(5) 京橋税務署長が令和2年7月28日付けで原告に対してした、平成31年1月1日から同年2月28日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の更正処分のうち、還付すべき消費税の額に相当する税額1246万6621円を超える部分及び還付すべき地方消費税の額に相当する税額336万4008円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定を取り消す。
第2 事案の概要
第1事件は、原告が■■■■ギフトカードの購入費用につき外注費に当たるとして損金の額に算入して平成28年1月1日から同年12月31日までの事業年度及び課税事業年度に係る法人税及び地方法人税の確定申告をしたところ、京橋税務署長から、当該■■■■ギフトカードの使途が明らかでなく損金の額に算入できないなどとして更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、上記各処分(ただし、令和4年8月4日付け裁決により一部取り消された後のもの)の取消しを求める事案である。
第2事件は、原告が、平成27年1月1日から同年12月31日まで、平成28年1月1日から同年12月31日まで、平成29年1月1日から同年12月31日まで、平成30年1月1日から同年12月31日まで及び平成31年1月1日から同年2月28日までの各課税期間分の消費税及び地方消費税の確定申告を行ったところ、京橋税務署長から、仕入先からの仕入額について消費税法30条7項(平成27年9月30日までに行った課税仕入れについては平成27年法律第9号による改正前のもの。同年10月1日以降に行った課税仕入れについては平成28年法律第15号による改正前のもの。以下同じ。)所定の「帳簿」及び「請求書」が保存されていないことから同条1項(平成27年9月30日までに行った課税仕入れについては平成27年法律第9号による改正前のもの。同年10月1日以降に行った課税仕入れについては平成24年法律第68号3条による改正前のもの。以下同じ。)所定の仕入税額控除ができないとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、上記各処分の取消しを求める事案である。
1 関係法令の定め
別紙1「関係法令の定め」に記載のとおりである(なお、同別紙中で定義した略称等は、以下の本文においても同様に用いるものとする。)。
2 前提事実(当事者間に争いのない事実、掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実)
(1) 当事者等
原告は、■■■■■■■■に設立された、広告業及び広告代理業、通信販売業、日用品雑貨の販売及び輸出入等を目的とする有限会社であり、設立以来■■■■(以下「■■」という。)が取締役を務めている。■■の外に原告の役員、従業員はいない。
原告の事業年度、課税事業年度及び課税期間は、平成30年までは1月1日から12月31日までであったが、平成31年から事業年度、課税事業年度及び課税期間の末日が2月末日となった(以下、平成27年1月1日から平成27年12月31日までの事業年度、課税事業年度及び課税期間を「平成27年12月期」といい、他の事業年度、課税事業年度及び課税期間もその終期に応じて同様に表記する。)。
(2) 法人税等に係る本件訴訟に至る経緯
ア 本件ギフト券の購入
原告は、■■■■ギフトカードを■■■■■■■■(以下「■■」という。)及び■■■■■■■■(以下、「■■■■」といい、■■と併せて「■■等」という。)から購入し、総勘定元帳の(製)外注費勘定に、購入額の税抜金額相当額の月ごとの合計額をその月の最終日に計上し、「摘要」欄には「広告原価○月分」等と記載していたところ、その平成28年12月期の合計額は8450万円である(以下、上記合計額を「本件外注費」といい、本件外注費に対応する■■■■ギフトカードを「本件ギフト券」という。乙22)。
イ 確定申告及びその後の手続
(ア) 原告は、平成28年12月期の法人税及び地方法人税(以下「法人税等」という。)について、別表1-2及び2-2のとおり、いずれも法定申告期限までに確定申告をし、法人税については平成29年9月1日に修正申告をした。
原告は、これらの確定申告及び修正申告において、本件外注費8450万円を損金の額に算入していた。
(イ) 京橋税務署長は、別表1-2及び2-2のとおり、令和2年7月28日付けで、平成28年12月期に係る法人税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をした。なお、京橋税務署長は、別表1-1、1-3~1-5及び2-1、2-3~2-5のとおり、同日付けで、平成27年12月期、平成29年12月期ないし平成31年2月期についても法人税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をした(以下「平成27年12月期等法人税等更正処分等」という。)。
(ウ) 原告は、別表1-2及び2-2のとおり、平成28年12月期に係る法人税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分について、全部取消しを求めて令和2年10月16日付けで再調査の請求をしたが、令和3年2月16日付けで棄却決定を受け、同年3月16日付けで審査請求をしたところ、令和4年8月4日付けで一部取り消す旨の裁決を受けた(以下、裁決により一部取り消された後の平成28年12月期に係る法人税の更正処分を「本件法人税更正処分」と、裁決による一部取消後の平成28年12月期に係る法人税の過少申告加算税の賦課決定処分を「本件法人税賦課決定処分」と、裁決による一部取消後の平成28年12月期に係る地方法人税の更正処分を「本件地方法人税更正処分」と、裁決による一部取消後の平成28年12月期に係る地方法人税の過少申告加算税の賦課決定処分を「本件地方法人税賦課決定処分」といい、本件法人税更正処分、本件法人税賦課決定処分、本件地方法人税更正処分、本件地方法人税賦課決定処分を併せて「本件法人税等更正処分等」という。)。
なお、原告は、別表1-1、1-3~1-5及び2-1、2-3~2-5のとおり、平成27年12月期等法人税等更正処分等についても全部取消しを求めて再調査の請求及び審査請求を行ったところ、最終的に平成27年12月期等法人税等更正処分等は全て取り消される等した。
(エ) 原告は、令和5年2月1日、本件訴えを提起した。
なお、原告は、当初、平成30年分に係る法人税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分の取消しも求めていたが、再更正処分及び再々更正処分がされたことから、これらの部分に係る訴えを取り下げた。
(3) 消費税に係る原告の事業内容及び本件訴訟に至る経緯
ア 本件EC事業
原告は、■■から日用品等の商品を仕入れ、これを■■■■■■■■(以下「■■■■■■」という。)に販売していた。そして、■■■■■■は、当該商品を、消費者に販売していた(以下、これらの取引全体を「本件EC事業」という。)。
イ 総勘定元帳の記載
原告の総勘定元帳の仕入高勘定には、■■からの仕入れについて、別表3-1~3-5のとおり、毎月末日の日付、■■の氏名及び月ごとの仕入高金額(以下「本件各仕入高」という。)等が記載されていたが、仕入れた商品の内容や商品ごとの仕入金額は記載されていなかった(乙1から5)。
ウ 確定申告及びその後の手続
(ア) 原告は、平成27年12月期ないし平成31年2月期の消費税等について、別表4-1~4-5のとおり、いずれも法定申告期限までに確定申告をした。原告は、平成28年12月期について、平成29年9月1日に修正申告をした。
原告は、これらの確定申告及び修正申告において、控除対象仕入税額に、本件各仕入高に係る消費税額を含めていた。
(イ) 京橋税務署長は、別表4-1~4-5のとおり、令和2年7月28日付けで、平成27年12月期ないし平成31年2月期に係る消費税等の各更正処分(以下「本件各消費税等更正処分」といい、個別に指すときは「平成27年12月期消費税更正処分」などという。)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各消費税等賦課決定処分」といい、本件各消費税等更正処分と併せて「本件各消費税等更正処分等」という。)をした。
(ウ) 原告は、別表4-1~4-5のとおり、本件各消費税等更正処分等について、全部取消しを求めて令和2年10月16日付けで再調査の請求をしたが、令和3年2月16日付けで棄却決定を受け、同年3月16日付けで審査請求をしたものの、令和4年8月4日付けで棄却する旨の裁決を受けた。
(エ) 原告は、令和5年2月1日、本件訴えを提起した。
(4) 税務調査の経緯
ア 京橋税務署所属の職員(以下「前回調査担当者」という。)は、原告に対し、平成29年7月19日、平成26年12月期から平成28年12月期までの法人税、地方法人税(ただし、平成26年12月期を除く)及び消費税等を対象とする調査(以下「前回調査」という。)を開始した。京橋税務署長は、原告に対し、平成29年9月29日付けで、平成26年12月期の法人税、平成27年12月期及び平成28年12月期の地方法人税、平成26年12月期及び平成27年12月期の消費税等について、更正決定等をすべきと認められなかった旨を通知した。また、原告は、平成27年12月期及び平成28年12月期の法人税並びに平成28年12月期の消費税について、修正申告をした。(甲102、乙40、42)
イ 京橋税務署所属の前回調査担当者とは別の職員(以下「本件調査担当者」という。)は、原告に対し、令和元年11月26日、平成29年12月期から平成31年2月期までの法人税、地方法人税及び消費税等を対象とする調査(以下「本件調査」という。)を開始し、本件調査に基づき本件法人税等更正処分等及び本件各消費税等更正処分等(以下、併せて「本件各処分」という。)をした(乙45、49)。
ウ 本件調査担当者は、令和2年1月30日、平成27年12月期及び平成28年12月期の法人税、地方法人税及び消費税等に係る質問検査等を実施する旨を伝え、調査(以下「本件再調査」という。)を開始した(乙49)。
3 被告の主張する本件各処分の根拠及び適法性
被告の主張する本件各処分の根拠及び適法性は、別紙2「被告の主張する本件各処分の根拠及び適法性」のとおりである。
原告は、後記4の各争点に関する部分のほかに、本件各処分の根拠及び適法性を争っていない。
4 争点
(1) 本件外注費は、平成28年12月期の損金の額に算入されるか(争点1)
(2) 本件各仕入高に係る消費税額について、仕入税額控除が適用されるか(争点2)
(3) 本件調査が通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」に該当せず、本件法人税等更正処分等及び本件各消費税等更正処分等が違法か(争点3)
5 争点に関する当事者の主張の要旨
(1) 争点1(本件外注費は、平成28年12月期の損金の額に算入されるか)について
(被告の主張)
ア 本件外注費が平成28年12月期の損金に算入されるには、①本件ギフト券が平成28年12月期中に実際に使用され、②本件ギフト券の使用と原告の業務との関連性が認められる必要がある。そして、②を判断するためには、少なくとも、本件ギフト券について、使用した日時、取引相手、使用目的、購入した商品の種類及び数、使用したギフト券の券面額といった、本件ギフト券の使途が具体的に明らかになることが必要である。
しかし、原告において、毎月多額の費用をかけて本件ギフト券を購入したにもかかわらず、本件ギフト券の使途どころか、使用したことを明らかにする客観証拠も一切ない。また、供述証拠から、本件ギフト券が使用されたと認めることもできない。そのため、本件ギフト券が、平成28年12月期に使用されたものとは認められないし、仮に使用されていたとしてもその使途を具体的に確認することができない。
よって、本件外注費を損金に算入することはできない。
イ 原告は、■■■■への出品者や広告代理店から依頼を受けた商品の購入に、本件ギフト券を使用したと主張する。
しかし、原告は、審査請求書においては、原告自身は本件ギフト券を使用することはない旨主張していたものであり、主張が変遷しているし、原告の現在の主張からすれば、外注費として経理処理していたことを合理的に説明することができない。
(原告の主張)
ア 本件ギフト券を使用したこと
原告は、本件ギフト券を■■■■等の金券ショップサイトで購入しているが、①金券ショップサイトでの譲渡者が有効期間間際で譲渡している可能性があること、②当該譲渡者が譲渡後に自ら使用するなどのおそれがあること、③■■■■が本件ギフト券の有償譲渡を禁止しており、使用できなくなるおそれがあることから、原告は、本件ギフト券を購入してから、当該カードを使用するまで、概ね1~2時間という極めて短時間で行うこととしていた。
上記のとおり、本件ギフト券が短期間で無価値となることからすれば、使用しない本件ギフト券を購入することありえない。
イ 本件ギフト券の使用が原告の業務と関連性があること
(ア) 原告は、■■■■に商品を出品している者から、その商品の購入の依頼を受け、本件ギフト券を使って依頼されていた商品の購入を行い、口コミの投稿も行った。なお、依頼者との間では、実際には商品の発送を行わないことを申し合わせていた。
このようなことを行うのは、ある商品が購入された回数や口コミの数、評価によって、■■■■のサイトにおける当該商品の表示順位が上昇すると考えられているためである。
(イ) また、原告は、広告代理店から、当該広告代理店がするインターネット広告を経由して対象商品を購入するよう依頼を受け、本件ギフト券を使って自ら又は協力者において対象商品の購入を行った。
このようなことを行うのは、依頼者である広告代理店のする宣伝広告の効果を、実際よりもよく見せるためである。
(ウ) このように、原告は、広告主又は広告代理店からの依頼により、本件ギフト券を用いた商品購入及び口コミ投稿という広告宣伝業務を行うことで報酬を得ていたもので、本件ギフト券は、当該広告宣伝業務の遂行のために取得・使用されたもので、業務との関連性がある。
(2) 争点2(本件各仕入高に係る消費税額について、仕入税額控除が適用されるか)について
(原告の主張)
ア 本件EC事業の概要
(ア) 本件EC事業は、①■■が商品を仕入れる、②原告が■■から商品を仕入れる、③■■■■■■が原告から商品を仕入れる、④■■■■■■が消費者に商品を販売する、という流れである。
なお、■■が仕入れた商品は、■■■■■■の倉庫に搬入され、上記④の消費者との売買が成立すると同時に、上記②③の売買が成立するものとされていた。
原告から■■への代金は、毎月1回支払われていた。
(イ) 原告、■■及び■■■■■■は、平成28年2月以前は、個々の商品ごとに定めた■■■■■■の原告からの仕入価格に、一定の割合を乗じたものを、■■への支払額とすることを合意していた。そして、「入出荷履歴」というエクセルファイルのシートに、■■■■■■が原告から仕入れられた商品の商品コード、商品名、仕入単価、販売数量等を記録していた。
また、原告、■■及び■■■■■■は、平成28年3月以降は、■■■■■■の消費者への販売価格に一定の割合を乗じたものを■■■■■■の原告からの仕入価格とし、当該仕入価格に一定の割合を乗じたものを■■への支払額とすることを合意していた。そして、「売上明細」というエクセルファイルのシート(「入出荷履歴」と併せて「本件エクセルシート」という。)に、消費者に販売された商品の商品コード、商品名、数量、販売価格等を記録していた。
また、仕入価格等に乗じる一定の割合(以下「本件配分率」という。)については、「EC」と題するメモ(以下「本件配分表」という。甲14の1)に記載していた。
イ 「帳簿」(消費税法30条8項1号)について
(ア) 総勘定元帳及び本件エクセルシートが、「帳簿」に該当すること
A 課税仕入れの相手方の氏名又は名称(消費税法30条8項1号イ)
総勘定元帳に■■の氏名が記載されているから、課税仕入れの相手方の氏名又は名称の記載がある。
B 課税仕入れを行った年月日(消費税法30条8項1号ロ)
総勘定元帳に課税仕入れの年月日を「○月分」とする記載があり、また本件エクセルシートに、商品コード、商品名、販売数量等、その月に原告が■■から仕入れられた商品が商品名ごとに記載されているから、これらの帳簿を併せて読めば、課税仕入れを行った年月日が記載されている。
C 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(消費税法30条8項1号ハ)
本件エクセルシートを見れば、原告の課税仕入れに係る資産の内容(商品)が分かる。
D 課税仕入れに係る支払対価の額(消費税法30条8項1号ニ)
本件エクセルシートに記載された商品ごとの金額(■■■■■■の原告からの仕入価格又は消費者への販売価格)に、本件配分率を乗ずると、原告の■■からの課税仕入れに係る支払対価の額が分かる。
なお、消費税の仕入税額控除のための「帳簿」は、法人税における「帳簿書類」とは異なるものであり、何らかの文書等において、支払対価の額を算出することができれば足りると解すべきである。
(イ) 被告の主張に理由がないこと
被告は、「帳簿」は、課税仕入れを行った事業者自身の帳簿を意味すると主張する。
しかし、本件エクセルシートは、■■■■■■、原告及び■■が、各当事者の精算等のために共同で作成、管理、保存している資料である。現に、原告は、本件エクセルシート及び本件配分表によって、■■■■■■に対する請求を行っている。
したがって、本件エクセルシートの作成者が■■■■■■だけであって、原告が作成・保存していないという被告の主張には理由がない。
ウ 「請求書等」(消費税法30条9項1号、2号)について
(ア) 請求書等の保存は不要であること
消費税法30条7項、施行令49条1項1号によれば、課税仕入れに係る支払対価の額の合計額が3万円未満である場合は、請求書の保存を要しない。
上記ア(ア)のとおり、原告と■■との取引は、消費者が■■■■■■から商品を購入する都度発生するものである。そして、■■■■■■の商品は日用品等であって、消費者が一回当たり3万円を超える購入をすることは稀であるから、原告の■■に対する支払対価の額が3万円以上となることはほとんどない。
よって、請求書等の保存は不要である。
(イ) 請求書等の保存があること
A 書類の作成者の氏名又は名称及び書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称(消費税法30条9項1号イ、同号ホ)
■■の原告に対する「御請求書」には、書類の作成者である■■の氏名と書類の交付を受ける原告の名称が記載されている。
B 課税資産の譲渡等を行った年月日(消費税法30条9項1号ロ)
■■の原告に対する「御請求書」は、毎月、■■が原告に交付しているものであって、その月を記載しているから、課税資産の譲渡等を行った年月日が記載されている。
C 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容及び課税資産の譲渡等の対価の額(消費税法30条9項1号ハ、同号ニ)
■■の原告に対する「御請求書」には、「添付明細書の通りご請求いたします」と記載されているところ、「添付明細書」とは本件エクセルシートのことである。
そして、本件エクセルシートに本件配分率を乗ずることで、課税資産の譲渡等の対価の額が明らかとなるから、「御請求書」には、課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容及び課税資産の譲渡等の対価の額が記載されている。
D 消費税法30条9項2号の「帳簿」該当性
本件エクセルシートは、そこに記載されている事項について、課税仕入れの相手方(■■)の確認を受けているものであるから、消費税法30条9項2号の要件も充足する。
(ウ) 被告の主張に理由がないこと
A 被告は、本件エクセルシートは、■■が交付したものでも原告が作成したものでもないと主張する。
しかし、上記イ(イ)のとおり、本件エクセルシートは■■■■■■、原告及び■■が共同して作成したものであるし、■■は請求書の添付資料として本件エクセルシートを利用したものであるから、被告の主張は理由がない。
B また、被告は、「帳簿」に該当するものが、同時に「請求書等」にも該当することはできない旨主張する。
しかし、「帳簿」とは別に「請求書等」が求められる趣旨は、帳簿だけでは自分勝手に取引の内容を書き換えてしまうことができるため、「帳簿」に記載された取引の内容が正しいかどうかを、取引の相手方から受け取った請求書等の書類によって確認できるようにする点にある。また、同様の観点から、事業者自身が作成して取引の相手方の確認を受けた書類も、この請求書等に含まれる。
上記Aのとおり、本件エクセルシートは■■も作成者であって■■が原告に交付したといえるし、原告自身が本件エクセルシートを作成して■■の確認を受けたともいえるから、一方当事者が他方当事者に無断で内容を書き換えてしまうという懸念はなく、両方の立場からの書類を確認することで取引の内容が正しいかどうかを検証するという上記趣旨に適合するので、被告の主張は理由がない。
(被告の主張)
ア 消費税法30条8項1号の要件を満たす「帳簿」の保存がないこと
(ア) 原告は、総勘定元帳と、本件エクセルシートを併せ読み、本件配分率を乗ずることにより、課税仕入れに係る支払対価の額が明らかになる旨主張する。
しかし、本件エクセルシートには、課税仕入れに係る支払対価の額それ自体は記載されていない以上、「帳簿」に該当するとは認められない。
(イ) また、消費税法30条8項1号の「帳簿」は、課税仕入れを行った事業者自身の帳簿を意味するところ、本件エクセルシートは、■■■■■■において作成したものであって、原告が作成者ではない。
よって、本件エクセルシートは、「帳簿」に該当しない。
イ 消費税法30条9項の要件を満たす「請求書等」の保存がないこと
(ア) 請求書等の保存が必要であること
原告は、■■と原告との間の売買は、■■■■■■から消費者への販売と同時に成立し、その多くは3万円未満であると主張する。
しかし、■■■■■■から消費者への各販売が1回の取引であることや、原告と■■の売買取引の単位がそれと同一であることについては判然とせず、一回の取引が3万円未満であるとは認められない。
(イ) 本件エクセルシートは「請求書」に該当しないこと
A 本件エクセルシートには、「課税資産の譲渡等の対価の額」(消費税法30条9項1号ニ)ないし「1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額」(同条9項2号ホ)が記載されていないから、請求書等に該当しない。
B 本件エクセルシートは、■■■■■■が作成したものであるところ、消費税法30条9項1号所定の請求書等は課税仕入れ先の事業者が交付したものであり、同項2号所定の仕入明細書等は課税仕入れを行った事業者自身が作成したものである必要があるから、本件エクセルシートは「請求書等」に該当しない。
C 消費税法30条7項ないし9項が、仕入税額控除を認めるに当たって帳簿及び請求書等を保存することを求める請求書等保存方式を採用した趣旨は、帳簿は課税仕入れに係る取引との内容を課税仕入れを行った事業者が自ら記録したものであり、これに当該課税仕入れの相手方が発行した請求書等を併せて保存することで、仕入税額控除制度の信頼性を高めるというところにある。そうだとすれば、同条8項所定の「帳簿」と同条9項所定の「請求書等」が同一の資料であることは、その趣旨に反することになるから、本件エクセルシートが「帳簿」に該当するのであれば、「請求書等」には該当しない。
(3) 争点3(本件調査が通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」に該当せず、本件法人税等更正処分等及び本件各消費税等更正処分等が違法か)について
(原告の主張)
ア 前回調査において、原告は、平成27年12月期の消費税及び平成28年12月期の地方法人税について、更正決定等をすべきと認められない旨の通知を受けた。また、平成28年12月期の法人税及び消費税についても、修正申告書を提出した。
したがって、「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」でなければ、税務調査をすることができない(通則法74条の11第6項)。
そして、更正処分は「調査により」行うものであり(通則法24条)、調査がされなければ更正処分をすることができないことからすれば、通則法74条の11第6項に違反した場合には、更正処分の取消事由となると解すべきである。
イ 本件法人税等更正処分等との関係で、被告は、本件調査開始後に、原告が、■■■■ギフトカードを購入していたこと、■■■■ギフトカードの購入先である販売サイト内のアカウントへの入金を外注費として計上しているが、■■■■ギフトカードの使用履歴や原告の業務に使用したことが客観的にわかる資料を作成していないこと(以下、これらの情報を「本件情報」という。)を把握したもので、本件情報は「新たに得られた情報」に当たると主張する。
しかし、■■は、前回調査において、■■■■ギフトカードを利用した取引があることを説明していた。また、仮に前回調査担当者が■■■■ギフトカードの利用について知らなかったとしても、前回調査において、原告が■■■■■■や■■カードを利用して広告主、広告代理店から収益を得ていることを説明していたことからすれば、本件情報は、前回調査の前提とされていた事情の一例を構成するものにすぎない。これによって再調査が可能になるとすれば、再調査に一定の制約を課した通則法74条の11第6項の趣旨が没却されるから、「新たに得られた情報」には該当しないというべきである。また、前回調査で保有していた情報だけでは非違があるとは認められず、新たに得られた情報を加味して非違があると認められる必要があるというべきところ、被告の主張からすれば、前回調査の段階で既に「非違」があったことになるのであって、本件情報を加味して非違があると認められるわけではない。
よって、本件情報は、「新たに得られた情報」に当たらないから、本件法人税等更正処分等は違法である。
ウ また、本件各消費税等更正処分等との関係では、本件情報と仕入税額控除の可否とは何ら関係ない。
仮に本件情報が「新たに得られた情報」に該当するとしても、それと関係のない点についてまで更正処分の対象とすることができるとするならば、納税者の負担の軽減を図りつつ、適正公平な課税の確保を図るため、通則法74条の11第6項を創設した趣旨を没却することになるから、調査、処分の可否は、争点ごとに判断されるべきである。
よって、本件各消費税等更正処分等は違法である。
(被告の主張)
ア 前回調査において、前回調査担当者は、■■■■ギフトカードを購入していること自体の説明を受けていなかった。なお、■■カード及び■■■■■■等に課金している旨の説明は受けたが、具体的な使用内容、使用時期及び使用金額といった、法人税法上の損金該当性に関する事実関係の説明を受けたこともなかった。
また、前回調査において、前回調査担当者は、本件事業に関する仕入税額控除についての指摘をしなかった。
イ 本件調査は、平成29年12月期ないし平成31年2月期の法人税及び消費税等を対象とするものであるが、本件調査担当者は、本件調査開始後に、原告が、■■■■ギフトカードを購入していたこと、■■■■ギフトカードの購入先である販売サイト内のアカウントへの入金を外注費として計上しているが、■■■■ギフトカードの使用履歴や原告の業務に使用したことが客観的に分かる資料を作成していないこと(本件情報)を把握した。そして、本件調査担当者は、この場合、当該外注費は、原告の■■■■ギフトカードの利用状況が不明であるから、使途不明金であるとして、原告の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできないものと判断した。
本件調査担当者は、平成27年12月期及び平成28年12月期においても、同様に、■■■■ギフトカードの使用履歴が確認できない状況であることが見込まれると判断した。そのため、本件再調査を開始した。
ウ 以上のとおり、本件情報は、前回調査では判明していなかった情報であるため、「新たに得られた情報」に該当する。そして、本件再調査は、「新たに得られた情報に照らし非違があると認め」られたために実施したものであるから、本件再調査は適法であり、本件再調査に基づき行われた本件各処分に手続的違法はない。
エ 仮に、本件再調査の手続に通則法74条の11第6項に反する瑕疵があるとしても、税務調査手続の瑕疵は、重大な違法が存する場合に該当しない限り、課税処分の取消事由とはならないというべきである。
そして、仮に本件情報が通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報」に当たるとの判断に誤りがあり、本件再調査の手続に通則法74条の11第6項に反する瑕疵があったとしても、かかる瑕疵は重大なものとはいえないから、本件各処分の取消事由とはならない。
第3 当裁判所の判断
1 争点1(本件外注費は、平成28年12月期の損金の額に算入されるか)について
(1) 前提事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
ア 原告と■■■■■■との取引
(ア) ■■■■■■(以下「■■■■■■」という。)は、携帯電話関連商品等の小売りを行っていた株式会社であり、■■■■及び■■■■■■で、商品を販売していた。その代表取締役は■■■■(以下「■■」という。)である。(甲87)
(イ) 原告と■■■■■■は、平成26年ないし平成27年頃から、原告が、■■■■及び■■■■■■において、■■■■■■の商品を注文するものの、■■■■■■は、実際には商品を発送せず、原告は、当該商品についての架空の評価を当該サイトに投稿するということをするようになった(以下「本件■■■■■■取引」という。)。
本件■■■■■■取引は、■■■■■■の売上げを多く見せるとともに、評価を良く見せることで、■■■■及び■■■■■■において、■■■■■■が上位に表示されるようにすることを目的とするものであった。
本件■■■■■■取引は、平成30年ないし平成31年頃まで続けられ、これに係る架空発注の金額は、平成28年は、1か月110万円程度であった。
(甲87、証人■■4頁)
(ウ) ■■■■■■は、原告に対し、平成28年1月から同年12月まで、消費税相当額分を除いて、毎月120万円(合計1440万円)を支払った(甲8(枝番をすべて含む。以下枝番のあるものについて同じ。)、甲87、証人■■5頁)。
イ 原告と■■■■■■との取引
(ア) ■■■■■■■■(以下「■■■■■■」という。)は、インターネット上の広告代理店業務等を行う株式会社であり、バナーの設置等により、広告主の商品購入ページに消費者を誘導する仕組みを構築する事業を行っている。■■■■(以下「■■」という。)は、■■■■■■の取締役であり、下記(イ)及び(ウ)に係る原告との取引を担当していた。(甲88)
(イ) 原告と■■■■■■は、平成28年1月頃から、原告が、■■■■■■が設けたインターネット上の商品の宣伝ページから広告主の商品購入ページに遷移して、商品を購入するということをするようになった。なお、原告は、自ら商品を購入するだけでなく、外部の第三者を募集し、それらの者に商品を購入してもらうこともあった(以下、原告が自ら商品を購入する場合及び第三者に商品を購入させる場合を併せて「本件■■■■■■取引」といい、本件■■■■■■取引と本件■■■■■■取引を併せて「本件各取引」という。)。
本件■■■■■■取引は、■■■■■■の広告の実績を良く見せて、広告主の■■■■■■に対する評価を高めることを目的とするものであった。
本件■■■■■■取引は、2年ほど行われた。
(甲88、証人■■3頁、14頁、原告代表者■■8頁)
(ウ) ■■■■■■は、原告に対し、平成28年1月から同年12月まで、消費税分を除いて、毎月300万円~750万円(合計4230万円)を支払った(甲12、甲88、証人■■5頁)。
ウ 本件ギフト券の購入等
(ア) 原告は、平成28年12月期に、■■等から、合計8450万円の本件ギフト券を購入した(前提事実(2)ア)。
(イ) 原告は、平成28年12月期に、■■■■■■(以下「■■■■」という。)から、■■■■ギフトカードを購入した(乙22)。
また、原告は、平成29年12月期以降、■■■■■■(以下、■■■■と併せて「■■■■等」という。)からも、■■■■ギフトカードを購入することがあった(甲4の2)。
原告は、■■■■等から購入された■■■■ギフトカードを、■■■■■■に譲渡した(甲5の2)。
(ウ) 原告は、複数の■■■■のアカウントを所有し、各アカウントにチャージしていたが、平成28年5月14日頃以降、各アカウントが順次■■■■■■により閉鎖された。平成28年12月期中に閉鎖されたアカウントにチャージされていた金額は、合計1649万6770円であり、原告は、同額の使用が不可能となった。(甲108)
エ 調査の経緯
(ア) 原告は、令和元年12月19日、本件調査担当者に対し、■■■■等から購入した■■■■ギフトカード等の金券について、原告が行った広告の効果を広告主に示すためや自社の持つSNSアカウントの価値を高めるため、また自社の売上げとするために商品の購入やサイトの課金に使ったこと、金券を広告業で使用したこと、具体的にどのサイトについて、いつ、いくら、誰が使用したか分かる書類はないこと、書類がない理由は、広告主に知られるのを防ぐためであることなどを供述した(乙14)。
(イ) 東京国税局長は、令和2年1月17日、■■■■■■に対し、原告、■■及び■■■■■■のアカウントに係る情報並びに11件の本件ギフト券の番号を利用したアカウントに係る情報を照会した(乙34)。
■■■■■■は、同年3月10日、調査対象者を特定することができなかった旨回答した(乙35)。
(ウ) 原告は、令和2年1月31日、本件調査担当者に対し、■■■■等から購入した■■■■ギフトカードは、■■■■■■のサイトだけでなく、広告事業の顧客のサイトでも使える、残った金額は原告が運営するウェブサイトで使用した、使い方は元従業員の■■■■や■■■■に任せていたのでよく分からないなどと供述した(乙19)。
しかし、■■■■■■は、自身は■■■■■■■■の代表取締役として業務に従事していたが、■■■■■■及び原告の業務についてはほとんど分からないと供述し、■■■■は、自身は■■■■■■の従業員であったが、■■■■ギフトカードを取り扱ったことはなかったと供述した(乙20、21)。
(エ) 原告は、令和2年2月17日、本件調査担当者に対し、■■■■等から購入した金券について提示できる資料はない、購入した金券は、香港にある関連会社や、香港の会社の外注先である国外のタイ人、韓国人、中国人に使用させていた、購入した金券の使用目的はその都度バラバラだが、目的に沿う形で使うように指示していた、報告は求めていなかったので、実際の使用実績に係る資料はない、などと供述した(乙18)。
(オ) 原告は、令和2年5月11日、本件調査担当者に対し、■■■■から購入したギフトカード等は、広告業に使用するためのものであり、広告を受託している商品を購入していた、■■■■■■の残高管理資料及び■■■■に課金した一覧は保有しているが、■■■■ギフトカードの使用履歴については残していない、(■■■■■■に照会をしたいのでアカウント情報を教えてほしいと本件調査担当者から問われたのに対し)どれが現在閉鎖されていないアカウントか分からない、(まず、一つのアカウントでもいいので教えてほしいと本件調査担当者から問われたのに対し)分からないので教えられない、出版社との共同制作の際に商品を購入するのにも使うが、当該出版社は言いたくないし、資料も出せないなどと供述した(乙17、甲24)。
(カ) 原告は、令和2年10月16日付けの再調査の請求書において、原告は、■■■■■■が使用する電子マネーを購入と同時に同社に納入し、原告において消費していないので、使途が明らかでないとはいえないと主張した(甲4の1)。
(キ) 原告は、令和3年3月16日付けの審査請求書において、原告は、電子マネーを、原告自身においては一切費消せずに、■■■■■■に納入し、■■■■■■において費消した旨を主張した(甲5の1)。
(2) 本件外注費の損金該当性についての検討
ア はじめに
(ア) 法人税法22条1項は、内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする旨を定め、同条2項は、当該事業年度の益金の額に算入するべき金額につき定めるところ、同条3項は、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額につき、別段の定めがあるものを除き、当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額(同項1号)、同号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額(同項2号)、当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの(同項3号)とする旨を定める。同条2項、同条3項1号及び2号において例示列挙されている費用の性質、内容等に鑑みると、同項1号及び2号にいう、当該事業年度の損金の額に算入すべき金額とは、当該法人の業務との間に関連性を有するものである必要があると解するのが相当である。
(イ) 原告は、本件ギフト券を購入した時点で総勘定元帳の(製)外注費勘定に計上しているところ、原告が主張する本件ギフト券の使用目的に照らすと、本件ギフト券を購入した時点では資産として計上すべきものであり、これが原告の業務の遂行上使用される等して、初めて損金の額に算入することができるものと解される。
そして、原告は、本件ギフト券の一部は使用不能となり、その余は、本件各取引等の商品の購入に使用したと主張するので、以下検討する。
イ 使用不能分について
上記(1)ウ(ウ)のとおり、平成28年5月頃、原告がアカウントにチャージしていた合計1649万6770円が、アカウントの閉鎖により使用不能となったと認められる。そして、原告が、上記金額の本件ギフト券が使用不能となることにより、当該本件ギフト券の購入費用に相当する部分の損害又は損失を被ったものと認められるから、上記価値相当額は損失として、平成28年12月期の損金の額に算入することができると認められる(なお、原告が■■■■■■に対して閉鎖されたアカウントに係る残高相当額の返金を求めたこと(甲108)に照らせば、当該損失は、原告に帰属するものと認められるし、閉鎖されたアカウントのチャージ金額が、■■■■から購入した■■■■ギフトカード(裁決において■■■■■■への譲渡が認められたことを理由に損金算入が認められている。)によるものと認めるに足る証拠はない。また、原告の■■■■■■又は本件ギフト券の売主等に対する当該損害又は損失に係る損害賠償請求又は不当利得返還請求が認められるかは疑問であることを考慮すると、当該損害賠償金又は不当利得金を益金として算入することは要しないものと解される。)。
そして、上記のとおり、損金に算入できる金額は、閉鎖されたアカウントにチャージされていた金額それ自体ではなく、チャージされていた金額に係る本件ギフト券の購入金額と解されるところ、証拠(甲10、91)によれば、原告は、本件ギフト券の大多数を券面額の97%以下の金額で購入していると認められ、その平均が97%を上回ることはないといえる。
よって、1600万1867円(1649万6770円×0.97。小数第1位未満切上げ)の限度で、損金に算入することが相当と認められる。
ウ 商品購入への使用について
(ア) 判断枠組み
法人税法22条3項1号及び2号所定の、内国法人の所得金額の計算上損金の額に算入することができる支出は、当該法人の業務の遂行上必要と認められるものでなければならないことは既に述べたとおりであるが、法人が費用として支出した金額のうち、その支出内容、支出の相手方、支出の時期等を確認することができないものについて、税務上損金として認めることは、課税所得計算の正当性や客観性等を検証することができなくなり、課税の適正、公平が保たれないこととなる。
そのような観点からは、上記支出に係る立証責任が被告にあることを踏まえても、当該法人の支出のうち、その支出内容、支出の相手方、支出の時期等について、あるべき客観証拠が提出されない結果、これらを確認することができず、そのために当該法人の業務との関連性の有無が明らかでないものについては、法人税法22条3項各号の損金の額に算入することができないと解するのが相当である。
(イ) 検討
A 本件各取引について
上記(1)ア(イ)及びイ(イ)のとおり、本件各取引が行われていたことは認められる。
しかし、本件各取引に係る個々の取引の商品の種類及び数量、代金額といった支出内容並びに取引の日時を確認できる客観証拠は全く提出されていない。また、本件■■■■■■取引については、支出の相手方である注文先(広告主)が誰であるのかも不明である。さらに、①原告が、再調査の請求及び審査請求時に、本件ギフト券を含む電子マネーについて、原告自身においては一切費消せずに、■■■■■■に納入し、■■■■■■において費消した旨を主張していたこと(上記(1)エ(カ)(キ))、②本件各取引は、毎月数百万円に上り、多数のアカウントを使い分けるものであって、相当の事務量が必要となると推認されるにもかかわらず、■■が■■■■ギフトカードの取扱いを任せていたとする■■■■及び■■■■は、いずれもそのことを否定している上(上記(1)エ(ウ))、原告には従業員もいないこと(前提事実(1))など、本件取引に係る業務の遂行状況が判然としないこと、③本件■■■■■■取引について、第三者を募集して商品を購入してもらうこともあったこと(原告代表者■■8頁以下)に照らすと、本件各取引について、原告が注文者であるのかさえ明らかとはいえない。
このように、そもそも本件各取引の具体的な内容は明らかではない。
B 本件ギフト券の使用について
上記(1)ウ(ア)のとおり、原告が、本件ギフト券を購入したことは認められる。
しかし、本件ギフト券が本件各取引に用いられたことを示す客観証拠は存在しない。
なお、■■及び■■は、■■から、■■■■ギフトカードを利用する旨聞いていたと証言するが(証人■■6頁、証人■■3頁)、これらの証言は伝聞であり、本件各取引は、クレジットカード等の他の決済手段によることも可能であるところ、■■及び■■において、実際の決済方法を確認したものではない(証人■■11頁、証人■■10頁)。また、■■■■■■及び■■■■■■は原告に対し継続的に毎月支払をしていたものの、①本件■■■■■■取引については、最初だけ後払いで、その後は前払いとされたこと(甲88)、②原告が■■■■に開設したアカウントへの入金は、残金が少なくなってきた時期に行われていることが多く(甲9)、■■■■■■及び■■■■■■からの支払時期に対応しているとは認め難いこと、③平成28年11月についてみると、■■■■■■及び■■■■■■から受領した金額(消費税相当額を含めると453万6000円。甲8の11、甲12の12)より大幅に少ない317万6033円しか総勘定元帳の(製)外注費勘定に計上されていないこと(乙22)が認められ、これらによれば、原告が■■■■■■及び■■■■■■から受領した金銭と、本件ギフト券の購入費用との間に、直接的な対応関係があるとは認められないから、金銭の動きから、原告が本件各取引に本件ギフト券を使用したと認めることも困難である。
C 客観証拠がないことについて
原告は、青色申告の承認を受けており、資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成されたその他の帳簿、棚卸表、取引に関して相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類等を保存すべき義務がある(法人税法126条1項、法人税法施行規則59条1項3号)のであり、また資料の作成保存は容易であったと考えられるところ、それにもかかわらず、これらの書類等が残されていないことは、本件ギフト券の使用の有無及び使途の認定に関して、原告に不利に取り扱われてもやむを得ないものといわざるを得ない。
これに対し、■■は、広告主に知られるのを防ぐため資料を残していなかった旨述べているが(上記(1)エ(ア))、広告主が原告を特定したとしても、当該広告主が原告に関係資料の開示を求める権利があるわけではないし、本件■■■■■■取引については、■■■■■■にその内容を知られて困る事情があったこともうかがわれないから、その供述内容が合理的とはいい難い。むしろ、本件各取引に当たって、原告内での業務管理や■■■■■■及び■■■■■■への報告の必要が生じた場合や両者との間で紛争が生じた場合等のために、一定の資料が保存されていてしかるべきである。
また、本件各取引を含む原告の取引に利用していた原告の■■■■のアカウントが閉鎖されたという事情があるとしても(上記(1)ウ(ウ)、原告代表者■■27頁)、アカウントの閉鎖は平成28年5月に行われているところ、少なくともそれ以降の取引については、当該時点で利用可能なアカウントが今後いつ閉鎖されるかわからない状況となったのであるから、資料を保存するよう努めるのが通常であるといえる。
加えて、原告は、本件調査担当者から、■■■■■■に照会をしたいのでアカウント情報を教えるよう求められたのに対し、どれが現在閉鎖されていないアカウントか分からないなどとしてアカウント情報を開示することを拒否したが(上記(1)エ(オ))、原告が閉鎖されたアカウントの情報を整理していたこと(甲108)に照らして、どれが現在閉鎖されていないアカウントか分からない状態であったのか疑問があるし、仮に既に閉鎖されたアカウントしか分からなかったとしても税務調査をすれば情報を取得できた可能性もあるから、アカウント情報の開示を殊更に拒否したことは不自然である。
このように、本件ギフト券が本件各取引に使用されたのであるとすれば、それについて客観証拠が保存されているべきであり、客観証拠がないことは不自然、不合理である。
(ウ) 以上のとおり、本件ギフト券の使途の前提となる本件各取引に係る個々の取引の内容、時期及び帰属主体や、その際に本件ギフト券が使用されたことについては、あるべき客観資料が提出されない結果、確認することができず、そのために、仮に本件ギフト券が現に使用されたとしても、原告の業務との関連性が明らかでないというほかない。
よって、本件ギフト券について、使用不能となった分(上記イ)を除き、損金に算入することはできないというべきである。
(エ) なお、■■は、本件ギフト券を■■■■■■及び■■■■■■以外の取引先からの商品購入や、自社の商品の購入にも使用したと供述するが(原告代表者■■16頁、25頁)、これらについても取引内容が不明で本件ギフト券の使用も確認することができないから、本件ギフト券の使途とは認められない。
また、原告は、本件ギフト券は、短期間で無価値となるおそれがあるものであるから、購入後速やかに使用したと主張するが、本件ギフト券は様々な使途が想定されるものであり、短期間で無価値となるおそれがあることは、使途が業務と関連性のあることを示すものとはいえない。
エ まとめ
以上によれば、使用不能分1649万6770円の購入費用に相当する1600万1867円は、平成28年12月期の損金に算入することができるというべきであるが、それを超える部分については損金に算入することはできないというべきである。
2 争点2(本件各仕入高に係る消費税額について、仕入税額控除が適用されるか)について
(1) 消費税法30条7項本文は、同条8項所定の帳簿及び同条9項所定の請求書等を保存しない場合は、仕入税額控除を適用しない旨を定めている(なお、同条7項本文所定の帳簿及び請求書等を保存しない場合に該当することの主張立証責任は被告が負うものと解される。)。そして、原告が上記要件を満たす書類と主張する総勘定元帳(乙1~5)、本件エクセルシート(甲32~80)及び本件配分表(甲14の1)のいずれにも、課税仕入れに係る支払対価の額(同条8項1号ニ)が記載されていないものと認められるから、同条8項所定の「帳簿」を保存しない場合に該当するといえる。
よって、その余の点について判断するまでもなく、本件各仕入高に係る消費税額について、仕入税額控除は適用されない。
(2) 原告は、本件エクセルシートに記載された商品ごとの金額(■■■■■■の原告からの仕入価格又は顧客への販売価格)に、本件配分表に記載された本件配分率を乗ずると、原告の本件代表者からの課税仕入れに係る支払対価の額が分かるから、これらは「帳簿」に該当する旨主張する。
しかし、消費税法30条7項は、当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿又は請求書等が税務職員による検査の対象となり得ることを前提にしているものであり、事業者が、国内において行った課税仕入れに関し、同条8項1号所定の事項が記載されている帳簿を保存している場合又は同条9項1号所定の書類で同号所定の事項が記載されている請求書等を保存している場合において、税務職員がそのいずれかを検査することにより課税仕入れの事実を調査することが可能であるときに限り、同条1項を適用することができることを明らかにするものであると解される(最高裁平成13年(行ヒ)第116号同16年12月16日第一小法廷判決・民集58巻9号2458頁参照)。
そうだとすれば、上記「帳簿」への該当性が問題となる書類等に「課税仕入れに係る支払対価の額」が記載されているというためには、当該書類等に原告が仕入先に支払った対価の額それ自体が記載されていることが必要であるというべきである。
しかし、本件エクセルシートには、■■■■■■の原告からの仕入価格又は顧客への販売価格は記載されているものの、原告の■■からの仕入価格は記載されていない。なお、仮に、複数の書類の記載を突合することにより仕入価格の額を算出することができることをもって、上記「課税仕入れに係る支払対価の額」の記載がされていると評価し得るとしても、本件配分表は、■■■■■■の従業員であり、原告及びその関連会社の経理業務を担当していた■■■■(以下「■■」という。)が、平成29年3月以降に、個人用のメモとして作成したものにとどまる上(甲14の1、89、証人■■7頁、26頁)、「料率一覧」、「■■■■■■ 2016.4~ 97%→95%に変更 ■■ 売上の95% ■■■■ 売上の96.8%」、「■■■■■■ 2017.8開始 ■■■■ ■■■■の98.5%」、「■■■■■■ 2017.7.20開始 (中略) ■■■■→■■に請求した額の95.6%」などと記載されているにすぎず、その趣旨を■■以外の第三者が一義的に理解することは困難であり、税務職員がこれを検査しても、本件各仕入高に係る課税仕入れの事実を調査することが可能であるとはいえないから、本件エクセルシートと本件配分表を併せることで、支払対価の額が記載された帳簿が保存されているとはいえない。
よって、原告の主張は採用することができない。
3 争点3(本件調査が通則法74条の11第6項に規定する「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」に該当せず、本件法人税等更正処分等及び本件各消費税等更正処分等が違法か)について
(1) 前回調査は、平成28年12月期の法人税等並びに平成27年12月期及び平成28年12月期の消費税等を対象とするものであり、これらの期間について、本件再調査が行われ、更正処分等がされているところ、原告は、①前回調査において■■■■ギフトカードを利用した取引があることを説明した、②そうでなくても、原告は、前回調査において、■■■■■■や■■カードを利用して広告主、広告代理店から収益を得ていることを説明していたことからすれば、本件情報は、前回調査の前提とされていた事情の一例を構成するものにすぎず、「新たに得られた情報」には当たらないと主張する。
(2) しかし、仮に、前回調査において、原告が■■■■ギフトカードを利用した取引があることを説明していたとしても、■■は、電子マネーやPOSAカードを用いた商品の購入等を行い、広告業務を行ったこと、その使用履歴自体は一定の限度で存すると説明したというのである(甲106)。しかるに、本件調査によって、■■■■ギフトカードの使用履歴や原告の業務に使用したことが客観的に分かる資料を作成していないことが新たに判明したものであるから、本件情報は、前回調査の前提とされていた事情の一例を構成するものにとどまるものとはいえず、「新たに得られた情報」に該当するというべきである。
(3) 原告は、仮に本件情報が「新たに得られた情報」に該当するとしても、それと関係のない平成27年12月期消費税等更正処分及び平成28年12月期消費税等更正処分については違法であると主張する。
しかし、仮に、本件調査に通則法74条の11第6項に反する瑕疵があるとしても、当該瑕疵は、同項の「新たに得られた情報」の判断を誤ったものにとどまり、本件調査において行われた質問検査等自体が刑罰法規に触れ、公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたる等重大な違法に該当すると認めるに足りる事情はないから、平成27年12月期消費税等更正処分及び平成28年12月期消費税等更正処分に取消原因があるということはできない。
4 本件各処分の適法性
(1) 本件法人税等更正処分等
ア 上記1で説示したところを踏まえると、別表5の「裁判所認定額」Cのとおり、原告の平成28年12月期の法人税に係る所得金額は5159万2611円、納付すべき法人税額は1161万8300円、平成28年12月期の地方法人税に係る課税標準法人税額は1161万8000円、納付すべき地方法人税額は51万1100円となる。
イ 本件法人税更正処分により、原告が新たに納付すべき税額の計算の基礎となった事実につき、本件法人税更正処分前における税額の計算の基礎とされていなかったことについて、通則法65条4項1号に規定する「正当な理由」があるとは認められない。
本件法人税更正処分に伴って原告に課されるべき過少申告加算税の額は、通則法65条1項の規定に基づき、原告が新たに納付すべきこととなった税額1161万円(ただし、通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の10の割合を乗じて算出した116万1000円と、同条2項の規定に基づき、新たに納付すべき税額1161万8300円のうち50万円を超える部分に相当する金額1111万円(ただし、通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の5の割合を乗じて算出した55万5500円との合計額である171万6500円である。
ウ 本件地方法人税更正処分に伴って原告に課されるべき過少申告加算税の額は、通則法65条1項の規定に基づき、本件地方法人税更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額51万円(ただし、通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の10の割合を乗じて算出した5万1000円と、同条2項の規定に基づき、新たに納付すべき税額51万1100円のうち50万円を超える部分に相当する金額1万円(ただし、通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後の金額。)に100分の5の割合を乗じて算出した500円との合計額である5万1500円である。
エ よって、本件法人税等更正処分等については、上記ア~ウを超える部分が取り消されるべきである。
(2) 本件消費税等更正処分等
上記2、3を踏まえて検討すると、原告に課されるべき消費税及び過少申告加算税は別紙2の5及び6記載のとおりであると認められ、本件各消費税等更正処分等の金額と同額であるから、本件各消費税等更正処分等は適法である。
5 結論
よって、原告の請求は、主文1項の限度で理由があるからこれを認容し、その余はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官 衣斐 瑞穂
裁判官 石神 有吾
裁判官邊見育子は転補のため署名押印することができない
裁判長裁判官 衣斐 瑞穂
(別紙1~2)省略
(別表1-1~7-5)省略
