【令和7年8月2日現在】訴訟になっている課税事件

裁判所 課税関係訴訟事件一覧表

令和7年8月2日現在、どのような課税事件が訴訟になっているのか確認すべく、国税庁に行政文書の開示請求をして資料を取り寄せてみました。

新規発生事件

東京地裁(民事第3部)

【税目】消費税
【被告】国(藤沢税務署長)
【概要】
相手側が取得した各建物の課税仕入れに係る支払対価の額は、鑑定評価額比率又は固定資産税評価額比率のいずれにより算出すべきか。
【年分】3/3
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年6月12日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

加治木簡裁

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
原告が査察部に対して情報提供したことにもかかわらず、当局査察部が犯則調査を行わなかったことが、国賠法第1条第1項の損害賠償が認められるか否か。
(本人訴訟)(請求額:1円 仮執行宣言請求有)
【年分】
【処分部署】
【提訴日】令和7年6月17日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

東京地裁(民事第38部)

【税目】法人税
【被告】国(四谷税務署長)
【概要】
オランダに所在する相手側の外国関係会社は、租税特別措置法66条の6第2項2号イ(1)及び(2)の要件を満たさず、特定外国関係会社に該当するか。
【年分】2/12~4/12
【処分部署】調査部等
【提訴日】令和7年6月20日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

東京地裁(民事第38部)

【税目】所得税
【被告】国(潮来税務署長)
【概要】
推計の必要性・合理性があるか否か。
(推計事案、本人訴訟)
【年分】27~28
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年6月23日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

神戸地裁(第1民事部)

【税目】消費税
【被告】国(姫路税務署長)
【概要】
本件金地金の購入に係る課税仕入れは原告に帰属するか。
【年分】5/10
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年7月1日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

神戸地裁(第1民事部)

【税目】所得税
【被告】国(姫路税務署長)
【概要】
本件寄宿舎営業の所得は原告に帰属するか。
【年分】30
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年7月1日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

東京地裁(民事第2部)

【税目】消費税
【被告】国(柏税務署長)
【概要】
ユーチューバーである相手側が行った電気通信利用役務の提供(動画の制作・投稿等)の提供先は、本件国外事業者(国外取引)又は本件国内事業者(国内取引)のいずれであるか。
【年分】2/12
【処分部署】税務署
【提訴日】令和7年7月2日
【裁決事例集搭載】搭載なし
【裁決要旨】特定できず

判決のあった事件

福岡高裁令和7年7月2日判決

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
①税務署長が更正処分等を行うにあたり職務上の注意義務を尽くしていたか(違法性)
②取消訴訟を経ないでなされた国家賠償において本税額及び附帯税相当額は損害か(損害)
③税務調査により原告は精神的苦痛を被ったか(損害及び因果関係)
(請求金額:4160千円、仮執行宣言あり)
【年分】
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月2日
【結果】棄却

福岡高裁令和7年7月2日判決

【税目】相続税
【被告】国(香椎税務署長)
【概要】
土地の評価について、財産評価基本通達の定めを適用して評価することが著しく不適当と認められる「特別な事情」があるか。
【年分】29
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月2日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月3日判決

【税目】法人税
【被告】国(麹町税務署長)
【概要】
(1) 相手側が取引実態があったと主張する電子部品等の仕入高等の金額は、本件各事業年度の損金の額に算入されるか否か。
(2) 上記(1)の仕入高等に係る消費税額について、仕入税額控除の適用はあるか否か。
(3) 相手側に法人税法127条1項3号に規定する青色申告の承認の取消事由があるか否か。
(4) 相手側に通則法68条1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当する事実があるか否か。
(消費税)
【年分】28/7~30/7
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月3日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月3日判決

【税目】法人税
【被告】国(鹿児島税務署長)
【概要】
原告が行った本件金銭貸付けは、法人税法2条13号規定の収益事業に該当するか否か。
具体的には、本件金銭貸付けが法人税法施行令5条1項3号に規定する金銭貸付業に該当し、継続して事業場を設けて行われるものか否か。
【年分】30/3~3/3
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月3日
【結果】棄却

大阪高裁令和7年7月4日判決

【税目】消費税
【被告】国(姫路税務署長)
【概要】
1 原告会社は、本件下宿営業の売上げを享受していたか否か。
2 金地金に係る商品先物取引の差額決済、金地金の仕入れに係る各支出額及び受渡決済手数料は、消費税法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額に該当するか。
3 還付消費税額等は、その還付に係る消費税等の納税申告書が提出された日の属する令和元年12月期の法人税に係る益金の額に算入すべきか否か。
4 金地金に係る商品先物取引によって生じた損失等は、令和元年12月期の損金の額に算入されるか否か。
5 本件各更正処分等は、信義則に反して違反であるか否か。
(消費税)
【年分】29/12~元/12、2/3、2/6
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月4日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月10日判決

【税目】所得税
【被告】国(上尾税務署長)
【概要】
本件業務から生じた所得は、事業所得又は雑所得のいずれかに該当するのか。
(本人訴訟)
【年分】28~2
【処分部署】税務署
【判決日】令和7年7月10日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月16日判決

【税目】相続税
【被告】国(杉並税務署長)
【概要】
相続人が継承した債務のうち、相続開示時において、近い将来に裁判上の和解に基づき免除される可能性が高かった債務が、相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められるもの」に該当するか否か。
【年分】26
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月16日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月16日判決

【税目】相続税
【被告】国(川崎西税務署長)
【概要】
被相続人が訴外会社に対して有する原状回復請求権は、相続開示時において、評価通達205が定める「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当するものであるか否か。
【年分】26
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月16日
【結果】棄却

福岡高裁令和7年7月17日判決

【税目】法人税
【被告】国(久留米税務署長)
【概要】
①本件青色取消し処分の適法性
②本件消費税更正等各処分の適法性
③仕入控除の規定に係る帳簿書類等の保存の有無
④調査手続の適法性
(消費税)
【年分】27/6~1/12
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月17日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月23日判決

【税目】法人税
【被告】国(東京上野税務署長)
【概要】
相手側が同日付で順位を付して行った二段階の合併(本件各合併)は、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」(不当性要件)に該当するか否か。
【年分】29/3
【処分部署】調査部
【判決日等】令和7年7月23日
【結果】全部敗訴(納税者勝訴)

大阪高裁令和7年7月29日判決

【税目】消費税
【被告】国(姫路税務署長)
【概要】
本件各課税仕入れに係る本件各支出額は、原告の消費税法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る支払対価の額に該当するか否か。
(本人訴訟)
【年分】2/2~3/2
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月29日
【結果】棄却

東京高裁令和7年7月30日判決

【税目】消費税
【被告】国(麻布税務署長事務承継者京橋税務署長)
【概要】
(1) 居住用賃貸物件の購入及び当該物件に対する内装等の工事に係る課税仕入れのうち、当該物件の購入から販売まで空室であった居室に対応する部分は、消費税法30条2項(仕入れに係る消費税額の控除)の適用に当たり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」と「課税資産の譲渡等とその他資産の譲渡等に共通して要するもの」のいずれに該当するか。
(2) 空室のある物件の買主に対する当該空室部分に係る家賃相当額の支払は、当該物件の売買代金の値引きとして、消費税法38条1項に規定する「売上げに係る対価の返還等」に該当するか否か。
【年分】27/9
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月30日
【結果】棄却

仙台高裁令和7年8月5日判決

【税目】所得税
【被告】国(大河原税務署長)
【概要】
(1) 無効確認訴訟における原告適格の有無
(2) 不服申立前置(差置送達の有効性)
(3) 貸倒損失否認の違法性の有無
(本人訴訟)
【年分】28~30
【処分部署】資料調査課等
【判決日等】令和7年8月5日
【結果】棄却

東京地裁令和7年6月3日判決

【税目】所得税
【被告】国(春日部税務署長)
【概要】
保有する暗号資産等を他の暗号資産等に交換した際に生じた損益が課税対象となるか否か。
【年分】29
【処分部署】資料調査課等
【判決日等】令和7年6月3日
【結果】棄却

福岡地裁令和7年7月2日判決

【税目】消費税
【被告】国(小倉税務署長)
【概要】
① 本件課税期間において、課税事業者に該当するか否か(基準期間における課税売上額1,000万円を超えるか否か)。
② 請求人が課税事業者として消費税等の還付申告を行ったことに、通則法68条の仮装・隠蔽に該当する事実があったか否か。
【年分】2/4
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月2日
【結果】棄却

東京地裁令和7年7月9日判決

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
国の対応に違法があったとして、被告は国家賠償法1条1項の損害賠償が認められるか否か。
(請求金4,882千円、仮執行宣言あり)
【年分】
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月9日
【結果】棄却

名古屋地裁令和7年7月17日判決

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
令和5年分の所得税等の予定納税等の減額申請に対する却下処分の取消し、及び同処分をしたことが国賠法上違法となるか否か。
(請求額:50,500円 仮執行宣言請求なし)(本人訴訟)
【年分】
【処分部署】税務署
【判決日等】令和7年7月17日
【結果】棄却

完結した事件

関信局・所得税

【税目】所得税
【被告】国(春日部税務署長)
【概要】
保有する暗号資産等を他の暗号資産等に交換した際に生じた損益が課税対象となるか否か。
【年分】29
【処分部署】資料調査課等
【判決日等】
・東京地裁令和7年6月3日判決 ⇒ 棄却

東京局・所得税

【税目】所得税
【被告】国(江戸川南税務署長)
【概要】
相手側が提出した期限後申告書は国税通則法19条に規定する修正申告書であるとして本件各賦課決定処分が違法となるか否か。
(本人訴訟)
【年分】2、3
【処分部署】税務署
【判決日等】
・東京地裁令和7年5月22日判決 ⇒ 棄却

大阪局・所得税

【税目】所得税
【被告】国(西税務署事務承継者北税務署長)
【概要】
外国子会社合算税制の適用の可否(①居住者該当性、②特定外国子会社該当性、③適用対象金額を算出する際、合算課税されていない他の特定外国子会社からの配当を控除すべきか否か)
【年分】25~29
【処分部署】資料調査課等
【判決日等】
・大阪地裁令和6年1月31日判決 ⇒ 棄却
・大阪高裁令和7年1月31日判決 ⇒ 棄却
・最高一小令和7年7月10日決定 ⇒ 棄却

大阪局・国賠

【税目】国賠
【被告】国
【概要】
本件において、国家賠償法1条1項の損害賠償が認められるか否か。
(本人訴訟)
(請求金額:10,000,000円、仮執行宣言請求なし)
【年分】
【処分部署】税務署
【判決日等】
・神戸地裁令和6年9月19日判決 ⇒ 棄却
・大阪高裁令和7年2月27日 ⇒ 棄却
・最高一小令和7年7月17日決定 ⇒ 棄却

高松局・所得税

【税目】所得税
【被告】国(坂出税務署長)
【概要】
先物取引に係る損失について、措置法41条の15の特例が適用できるか否か。
(本人訴訟)
【年分】30、2
【処分部署】税務署
【判決日等】
・高松地裁令和6年12月10日判決 ⇒ 棄却
・高松高裁令和7年6月10日判決 ⇒ 棄却

福岡局・消費税

【税目】消費税
【被告】国(久留米税務署長)
【概要】
本件消費税更正等各処分の適法性
① 消費税法施行規則5条の合憲性及び違法性
② 本件送付取引が本邦からの輸出として行われる資産の譲渡(消費税法7条1項1号)に該当するか否か
③ 本件各処分の前提となる税務調査手続に本件各処分を取り消すべき違法があるか否か
④ 本件各処分に係る理由附記が違法であるか否か
【年分】29/3~1/6
【処分部署】税務署
【判決日等】
・福岡地裁令和6年6月5日判決 ⇒ 棄却
・福岡高裁令和6年12月3日判決 ⇒ 棄却
・最高三小令和7年7月9日決定 ⇒ 不受理

参考

一覧表の「原告等」及び「事件番号」は、個人の氏名については特定の個人を識別することができる情報に該当すること、法人の名称については法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるという理由で不開示となっています。
なお、下記の記事では「課税関係訴訟事件一覧表(令和4年4月1日現在)」から集計した第一審の提訴裁判所と各審級(第一審・控訴審・上告審)の終局までの日数を取り上げております。
課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいこと
審査請求をしたが棄却された場合などにおいて、課税処分を取り消すために訴訟をするかを検討する際に知っておきたいことをまとめてみました。訴訟が提起できる期間課税処分の取消しを求める訴訟はいつでも申立てができるわけではありません。裁決があったこと...
また、訴訟になっている事件の資料を裁判所で閲覧したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
訴訟になっている課税事件資料の閲覧方法について(東京地裁の場合)
現在訴訟になっている課税事件で当事者の主張内容を確認したいものがあったため、裁判所(東京地裁)で事件記録を閲覧してきました。今回は、東京地裁における記録の閲覧手順についてまとめてみました。手順裁判所のHPには、「民事事件記録の閲覧・謄写の御...