【国税職員向け】実録!税理士試験免除申請から登録までの流れ

税理士業

私は、税理士試験の「簿記論」と「財務諸表論」に合格した上で、国税に関する事務に従事した年数による税法免除により税理士試験の免除を受け、税理士登録しました。自分の備忘録兼現在国税職員として勤務している方が税理士登録する際の参考になればと思い、税理士試験免除申請から登録までの流れをまとめてみました。

税理士試験の免除申請

私が免除申請した当時、東京国税不服審判所に勤務しておりましたが、以下の書類を揃えて、令和2年9月19日に、東京国税局(総務部人事第二課試験係)に郵送し提出しました。国税職員については、国税審議会に直接書類を提出するのではなく、一旦国税局の人事課を経由して国税審議会に書類が送付されることになっています。

税理士試験免除申請書
・職歴証明書
・卒業証明書
・返信用封筒
・一部科目合格通知書(写し)

上記の提出書類のうち、免除申請にあたって収集が必要なのが、「職歴証明書」と「卒業証明書」になります。
「職歴証明書」については、国税局や税務署の職員の方の分(東京局の場合)は局人事第一課任用第2係で証明を受けるようなのですが、私の場合は審判所に勤務していたので、管理課の総務係にお願いして証明してもらいました。

また、「卒業証明書」(税務大学校の本科・専科・通信研修会計学を修了したことを示す証明書)については、税務大学校和光校舎に、「卒業証明願」と返信用封筒を郵送して申請し取得しました。税大の案内には、「証明書の発行までには、おおむね3週間から1か月程度かかります」と記載されていましたが、私の場合は令和2年8月17日に郵送し、令和2年9月7日付けの「卒業証明書」が返送されてきました。

国税局が出している税理士試験免除申請の案内に「卒業証明書」が記載されていましたので、一応取得し提出しましたが、「簿記論」と「財務諸表論」に合格している場合はもしかしたら必要なかったのかもしれません。

税理士試験免除決定通知書

そして、令和2年12月24日に「税理士試験免除決定通知書」(令和2年12月4日付け)が自宅に郵送されてきました。
なお、税理士試験免除者は、毎年6月に官報で公告されることになっているようです。

税理士登録申請

「税理士」と名乗るためには、税理士試験の免除決定を受けるだけでは足りず、税理士登録の申請をする必要があります。私の場合は、関東信越税理士会に登録申請することから、事前に同会から資料を取り寄せて、下記「税理士登録申請書類チェックリスト」の「申請者チェック」欄のチェックが入っている書類を揃えました。提出する書類は申請する税理士会によって若干差があるようです。

申請書類については、「税理士登録freee」のサイトで作成可能ということで、最初同サイトで作成していたのですが、「税理士登録申請書」の「現在までの職歴」の欄が、「税理士登録の手引」の記載例26頁(税務官公署退職者の場合)のように入力できなかったことから、結局手書きで作成しました。

申請には、「職歴証明書」(税理士免除申請のものとは別のもので、直近5年分の職歴が記載されているもの。)を添付する必要があるのですが、「職歴証明書」は退職の日でないと入手できないことから、退職した日(具体的には令和3年7月12日)に書類を郵送しました。コロナ禍でなければ、本人が税理士会に書類を持参して申請するのが原則のようです。

書類のうち、「顔写真」については、縦2.8cm×横2.4cmのサイズのものは、巷の証明写真機では作成できなかったので写真屋さんで撮影してもらって揃えました。

なお、登録申請の時点では、登録免許税6万円と登録手数料5万円の計11万円を支払いました。
登録手数料の受領書について、令和3年8月2日付けで送付されたのですが、そこに添付されていた「税理士登録申請書受理以後のスケジュール」には、令和3年9月28日に登録完了と記載されていました。

税理士登録申請書の受理以後のスケジュール

支部長面談

コロナ禍でなければ、所属する支部の支部長先生が事務所に来て確認するようなのですが、コロナ禍ということで支部の事務所で面談しました(令和3年8月5日)。面談の内容としては、簡単な自己紹介から始まり、上記の登録申請書に添付した事務所予定地の画像を見ながら事務所設置場所の確認がされた程度で、30分くらいで終了しました。

税理士登録通知の郵送

上記の面談以降、税理士会からは特に連絡がなかったのですが、令和3年9月28日に所属の支部から税理士登録された旨連絡と今後のスケジュールの説明がありました。また、翌日には申請書類に添付したはがきが郵送されてきました。

税理士登録通知

なお、関東信越税理士会では、提出書類を事前にファックスすれば確認してもらえるようになっていたのですが、これをお願いしていれば、もしかしたらもう1か月早く登録が完了したのかもしれません。

税理士入会式

令和3年10月6日に、関東信越税理士会の会館で入会式があり、税理士バッチと税理士証票の交付を受けました(正確にいうと、税理士バッジは貸与)。配られるバッチは皆さん同じものが配られているのかと思いましたが、よくよく見てみると裏側に番号(税理士番号とは異なる)が刻まれておりました。また、証票については、国税時代の質問検査章と同じくらい大きさのラミネートされたものでしたが、それを入れるケースの配布等はなかったため、一旦国税時代に使用していた質問検査章のケース(二度と使うことはないと思っていましたが…)に保管しました。

なお、入会式の前日までに入会金や会費、会館建設預託金などで104,178円を税理士会に振り込みました。

最後に

税理士登録すると、まず税理士会の職員の方から先生と呼ばれるかと思います。それまで言う側だったのが言われる側になり、若干違和感を感じておりますが、自分を戒めるためにも、いい意味でこの違和感を常に持ち続けていきたい思います。